研究課題/領域番号 |
02452292
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森田 健治 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023144)
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研究分担者 |
井上 雅彦 名古屋大学, 工学部, 助手 (60191889)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1990年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 再放出 / 反跳粒子検出法 / 黒鉛 / 同位体効果 / 捕獲係数 / 再結合係数 / 脱捕獲係数 / 水素リサイクリング / イオン・ビ-ム分析法 / 金属炭化物被覆黒鉛 |
研究概要 |
本研究の目的は、第1壁における粒子束と同じ条件で水素イオン照射を受ける試料中の保持水素濃度分布および照射後の加熱あるいはヘリウムイオン照射による試料中の保持水素濃度分布の変化をイオンビ-ム分析法を用いて直接測定し、そのデ-タ解析から水素同位体の挙動を記述する質量平衡方程式中の素過程の物理パラメ-タを決定することである。 本年度はまず、昨年度設置した差動排気型イオン銃を用いて6×10^<15>/cm^2・sのH^+イオン照射下における黒鉛中の保持水素濃度分布を測定し、照射後の保持水素濃度分布との比較から黒鉛ではダイナミックリテンションが極めて小さいことを明らかにした。 次に3keVH^+_2あるいはD^+_2イオンを室温で飽和するまで注入した黒鉛からの等温加熱再放出を450°Cから600°Cまでの温度で測定した。その実験デ-タから、黒鉛からのHの再放出はDの再放出より早いという明瞭な同位体効果を見つけた。これらのデ-タ解析から水素同位体の加熱再放出が主として動き得る水素同志の局所的再結合により生じることを示した。またHおよびDの再放出における同位体差は熱的脱捕獲係数および拡散律速過程に基づく捕獲係数および局所的再結合係数の同位体差、すなわち反応係数の質量効果で説明されることを示した。更にHe^+イオン衝撃再放出の測定から、この場合のHおよびDの再放出に加熱再放出よりも大きな同位体差が存在することを示した。この同位体差はイオン衝撃脱捕獲断面積の同位体差および動き得る水素と捕獲水素との局所的再結合係数および捕獲係数の同位体差で説明されることを示した。 最後に等加熱再放出における水素濃度の減衰曲線の理論式を用いて昇温脱離スペクトルを計算できること示すと共に、その計算結果が実験デ-タを良く再現すること、本研究で提案した水素同位体の挙動を記述するモデルが極めて一般的であることを示した。
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