研究課題/領域番号 |
02453024
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小国 信樹 山口大学, 理学部, 教授 (60028165)
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研究分担者 |
林 昌彦 山口大学, 理学部, 助手 (60192704)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 不斉触媒反応 / 不斉増幅 / 不斉アルキル化 / ジアルキル亜鉛 / アルデヒド類 / 不斉シリルシアノ化 / シャ-プレス触媒 / 不斉増幅現象 / 不斉反応 / 均一触媒反応 / アルデヒド / βーアミノアルコ-ル |
研究概要 |
不斉増幅現象は本申請者の発見した不斉反応における重要な現象の一つである。最初の発見はフランスのKagan教授によるアリルアルコ-ルの不斉エポキシ化反応においてであったが、増幅と呼べるものではなかった。本申請者が発見した光学活性βーアミノアルコ-ルを触媒成分とするジアルキル亜鉛のアルデヒド類への不斉付加反応において、極めて光学純度の低い触媒より光学純度の大変高いアルコ-ル類を得る反応を発見し、この現象を不斉増幅と命名した。この不斉増幅現象の起因を研究して、さらに発展させるのがほんの研究の目的であった。 1。光学活性βーアミノアルコ-ルとジエチル亜鉛のモル比1:1の反応物を溶液中の分子量測定およびNMRスペクトルによって研究をした結果、この反応物は溶液中2量体に会合していることが分かった。しかしラセミのーアミノアルコ-ルとジエチル亜鉛の反応物も同様の研究により2量体であるが、光学活性体からの物とは全く異なった構造を有するメゾ2量体であることが判明した。このメゾ2量体は触媒活性が大変弱いことより、光学活性2量体のみが会合を解き、触媒として働くことが結論された。 2。チタニウムテトライソプロポキシド、Ti(OiPr)_4、と酒石酸エステルとを組み合わせるSharpless触媒を用いて、アルデヒド類の高度な不斉シリルシアノ化反応を触媒量的に進行させる反応を、世界ではじめて本申請者は成功させた。この反応においても本申請者は不斉増幅現象を見いだしイギリス化学会の雑誌(J.Chem.Soc.)に報告した。特に、この反応は医薬品の分野における抗生物質の原料合成、農薬合成および液晶合成および液晶成分の合成等に適応できるので、企業関係からの問い合わせが殺到している。この反応においても、触媒の会合が重要な鍵であることを、触媒のマススペクトルの研究から明かにした。
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