研究概要 |
人工気象器の中で、日照時間(14時間),温度(28℃)および湿度(70%)を一定に保ち、三種の植物(コミカンソウ,ナンキンマメ,オジギ草)を用いて閉葉作用および開葉作用の活性試験を行ないながら活性物質本体の単離を試みた。 1.オジギ草100kgからは閉葉作用を指標にして、カラムクロマトグラフィ-,高速液体クロマトグラフティ-等を用いて分離し,2種の活性物質を単離することに成功した。しかしながら単離した量が極めて少なかったため(〜20μg)構造決定することはできなかった。 2.ナンキンマメ50kgから同様に分離操作を行ない,やはり閉葉作用を示す活性物質を約5mg単離することに成功した。この化合物は水容性の物質であり,'HNMRからテルぺン様物質であると思われた。しかし質量分析ベクトルで分子イオンピ-クが観測されなかったので,分子式および構造を決定するには至らなかった。 3.コミカンソウ30kgからも同様に分離操作を行ない,閉葉作用を示す活性物質を約5mg得ることに成功した。この活性物質はその'HNMRからパラヒドロキシケイ皮酸エステル誘導体であることを明らかにすることができた。しかしこの化合物も質量分析スペクトルで分子イオンピ-クを与えず,正確な分子式を決定することはできませんでした。 この活性物質のアルコ-ル部分は炭素数5〜6ケ程度の化合物であり現在さらに多量の活性物質を単離することにより、構造を決定することを試みている。 以上4種の活性物質はそれぞれ全く異なるタイプの化合物であり、又植物の種が異なれば、異なる活性物質を持っていることが明らかとなった。
|