研究課題/領域番号 |
02453032
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
渡部 徳子 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)
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研究分担者 |
横山 拓史 九州大学, 教養部, 助教授 (20136419)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | NMRイメ-ジング / 固体MAS / NMR / ^<27>AlーNMR / ^<29>SiーNMR / ムライト / 高分子素材 / 拡散 / セラミックス / 膨潤 / アルミノシリケ-ト / 固体高分解能NMR / ムライトプリカ-サ- |
研究概要 |
本研究においては、物質中の比較的動き易い分子の情報をNMRイメ-ジングにより、また堅い部分の情報を固体高分解能NMRにより収得し、分子レベルでの新しい物質研究手法を開発する事を目的とした。下記に示す4課題において有意義な成果が得られた。物質を対象としたNMRイメ-ジングは、緩和時間が短い点で不利ではあるが、静磁場及び磁場勾配とも大きく設定できる点で空間分解能に高い、S/N比の良いイメ-ジを得る事ができる。非破壊的、経時的に対象内部に生じる変化を観測できるNMRイメ-ジング法は今後素材研究の分野において重要な手法となり得る事を確信した。 1.非晶質アルミノケイ酸塩の焼成過程における構造変化の解明: 1)ムライト前駆体を提案し、その構造と組成を決めた。 2)SiーOーAl系:非晶質アルミノケイ酸塩の焼成過程において非晶質からアンダルサイト様結晶構造を経過してムライトに相転移された。 3)ムライト生成過程において共存するアルカリ金属イオン(Li^+、Na^+、Li^+)は相転移温度、生成されたムライトの組成、結晶性などに影響した。 4)AlーOーGe系:アルミニウム-ゲルマニウム酸系の合成過程におけるGeイオンの挙動を明らかにした。ゲルマニウムムライト前駆体を提案。 5)AlーOーP系:アルミニウム-リン酸系の合成過程におけるリン酸の挙動を解明した。 2.高分子素材への溶媒の浸透と膨潤・収縮過程のイメ-ジ化 ポリカ-ボネ-ト及びPMMAを素材とし、水、アセトン、DMSO、DMF、クロロホルム、ベンゼンなどの溶媒との相互作用をイメ-ジ化し、溶媒の浸透(拡散)速度や素材の溶解速度が求められた。 3.粘土鉱物における水の吸着機構とインタ-カレ-ション モンモリロナイト、ベントアイト、サポナイトなどの粘土鉱物の陽イオンを交換することにより層間にインタ-カレ-トした。層表面と層間分子の相互作用を解明するために層間分子の拡散速度を測定した。この課題は継続して研究される。 4.Alー5配位錯体の構造と反応性 課題1において5配位Al錯体の存在が示唆された。錯塩化学的には5配位Al錯体は希であり、配位子の配位の対称性や安定性はよく知られていない。NMRにより4、5、6配位Al錯体が識別可能な事を利用してAl錯体の研究が開始された。
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