研究課題/領域番号 |
02453051
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 賢二 東京大学, 工学部, 教授 (40107529)
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研究分担者 |
金子 栄廣 東京大学, 工学部, 助手 (60177524)
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
大垣 眞一郎 (大垣 真一郎) 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 浄水 / 膜分離 / ウィルス除去 / 細菌除去 / 精密ふ過度 / 限外ろ過膜 / 膜透過流束 / 中空糸膜 / 精密ろ過膜 / 浄水処理 / クロスフロ-濾過 / 除濁 / フミン除去 / 膜面付着物 |
研究概要 |
浄水における膜分離技術の適用可能性を明らかにするには、膜の濾過特性、分離特性を詳細に検討する必要がある。本研究は、濁質やコロイドの除去特性だけでなく、細菌・ウイルスの分離特性、透過流束に及ぼす因子について詳細な実験的検討を行ったものであり、研究成果は以下に総括される。(1)カオリン懸濁液、フミン質、大腸菌の除去特性を、外圧式中空糸精密ろ過膜(粒子分画サイズ0.03μm(及び内圧式管式限外ろ過膜(分画分子量14000)を用いて調ベ、どちらも除去性能としては大差無いという結果を得た。中空糸膜の透過流束は2.5〜6m/dと、実用的に十分高い値が得られた。(2)クロスフロ-濾過における透過流束に及ぼす諸因子の影響を、ラテックス粒子を用いて実験的に調べ、また理論的検討も行った。その結果、透過流束の初期減少速度を決めるのはケ-ク層の空隙率と粒子径である。膜面流速はケ-クのバルクへの回帰量を決定し、従ってフラックスの定常値を決める。粒子径に分布がある場合、粒子径が大きくなるとシア効果によりバルクへの回帰量が大きくなるため、膜面に小さい粒子径のものが時間とともに選択的に堆積される。(3)大腸菌ファ-ジQβの膜分離特性を精密濾過膜(0.1μm)と限外ろ過膜(分画分子量40000)を用いて調べた。Qβの粒子径約25nmよりも大きい孔径を持つ精密濾過膜でも、初期吸着により90%程度の排除率を持つ。また自然水中に含まれる有機物質によるゲル層が形成されると、Qβの排除率が高くなる。(4)以上の結果を踏まえ、集積度の高い中空糸膜を用いて浄水場(5000m^3/d)の試設計を行った。その結果、膜透過流束を0.5m/dとした場合でも、膜処理場は在来式浄水場に比べて敷地面積を大幅に小さくすることができることが分かった。また、全量濾過とすれば膜処理浄水場の運転費用は、常に在来式のものより小さくなることが示された。
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