研究課題/領域番号 |
02453077
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮崎 哲郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90023126)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 極低温 / トンネル効果 / パルス放射線分解 / 水素原子・分子反応 / 回転量子状態 / プロトン移行反応 / ホトンカウンティング / 極低温反応 / H原子反応 / 細胞の放射線影響 |
研究概要 |
1.極低温におけるイオンー分子反応 エタノ-ルにベルゼンを添加した系に20ー120Kでパルス電子線を照射し、溶媒からベンゼンアニオンへのプロトン移行反応を光学吸収測定によって研究した。さらに4Kと77Kでγ線照射後のESR吸収測定も行なった。反応に著しい温度効果を見出し、低温にすると反応が抑制されることがわかった。またC_2D_5ODを用いるとC_2H_5OHの時に比べ移行反応は77Kで1/100以下に遅くなる。この著しい同位体効果は反応に5ー8Kcal/molの反応障壁を考え、トンネル効果によって透過するとしたモデルによって説明出来た。イオン分子反応はこれまで気相で主に研究されており、活性化エネルギ-は零であり、温度効果や同位体効果は見られず、トンネル効果の関与も考えられない。極低温固相では気相とは異なり、本研究で初めて低温イオン分子反応におけるトンネル効果を指摘した。 2.水素原子・分子トンネル反応に対する回転量子状態の影響 極低温においてパラH_2とオルトH_2の回転量子状態はそれぞれJ=0と1である。4K固体pーH_2とnーH_2(oーH_275%)を用いてH+H_2(J=0,1)→H_2+Hトンネル反応に対する回転量子状態の影響を調べた。その結果H_2(J=0)の方がH_2(J=1)よりもトンネル反応の速度が3ー4倍速いことを見出した。これはトンネル反応に対する回転量子状態の影響を世界で初めて観測したものであり、直ちにアメリカおよび日本において理論家による理論計算が開始された。 3.1ショット・ホトンカウンティング法によるパルス放射線分解の研究 この新しい測定方法を完成させた。極低温H_2Oのパルス放射線分解を行い、極低温では77Kとは励起状態が異なってくると云う新しい現象を見出した。
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