研究課題/領域番号 |
02453080
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
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研究分担者 |
米村 弘明 九州大学, 工学部, 助手 (40220769)
中村 博 北海道大学, 理学部, 教授 (00117194)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | DonorーAccepter結合系 / 第二高調波発生 / ルテニウム錯体 / スチルバゾ-ル / 単分子膜 / LB膜 / 表面吸着 / 光誘起電子移動 / DonorーAcceptor結合系 |
研究概要 |
二次元画像の伝送と処理にあたっては、一筆書きの一次元情報では早晩限界に達する事が予想される。光を用いる二次元情報処理は問題解決の有力な手段であるが、それには超高速の光スイッチング素子を開発する事が必要である。本研究では電子供与体(D)と電子受容体(A)間の光による電子移動に伴う吸収あるいは発光を一つのスイッチングとして捉え、これをもって光を光で制御する手段を開発する事を目標にした。2。DからAへの光誘起電子移動に伴ってラジカル対が生成すると、ラジカル特有の吸収帯が過渡的に出現する。本研究ではAとしてビオロ-ゲン、Dにはポルフィリン亜鉛錯体あるいはフェノチアジン骨格を用いて、レ-ザ-による光誘起電子移動で生成するラジカル対の性質を過渡吸収スペクトルから調べた。DとAの距離が1.5nm程度以内であれば容易に電子移動が起こり、マイクロ秒領域の寿命を持つ。0.3T以上の磁場を印加すれば寿命はさらに延び、10マイクロ秒に達する事も可能で、光によるスイッチングを外部から磁場で操作できる事を明らかにした。また、フェノチアジンービオローゲン結合系の場合、シクロデキストリンとの錯形成がDとAの接触を防ぎ、光によるラジカル対の出現を容易にする事も分かった。 トリスビピリヂンのルテニウム錯体は中心金属から配位子へのMLCT遷移が起こる事で有名である。この錯体をLB膜に配列させてYAGレ-ザ-の基本波(1.06u)を照射すると532nmの第二高調波(SHG)が得られた。この膜に紫外線を同時に照射すると、SHG強度は激減した。紫外線により電子移動が誘起されたために、SHGに必要な基底状態分子が減少した事に基ずくものである。SHGを別の光で制御すると言う画期的現象を見出せた事になる。
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