研究課題/領域番号 |
02453105
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 祥平 東京大学, 工学部, 教授 (20010762)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | アルミニウムポルフィリン錯体 / リビング重合 / メタクリル酸エステル / エポキシド / ラクトン / アクリル酸エステル / メタクリロニトリル / エピスルフィド / ブロック共重合体 / 金属ポルフィリン錯体 |
研究概要 |
アルミニウムポルフィリン錯体(右図)は、種々のモノマ-のリビング重合を引き起こし、分子量の良く揃ったポリマ-を与える。本研究は、本研究は、リビング重合の開始剤としてのアルミニウムポルフィリン錯体の幅広い適応性を利用し、ブロック鎖長の制御された新規なブロック共重合体の合成を目的とする。 本研究により以下の成果が得られた。(1)リビング重合開始剤としてのアルミニウムポルフィリン錯体の広い適用性を利用することによりポリメタクリル酸エステルとポリエ-テルやポリエステルからなる新規なブロック共重合体が合成された。また、ビニル系のブロック共重合体としては、ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステル、ポリメタクリロニトリルからなるブロック共重合体も合成された。これらはいずれも分子量の良く揃ったものであり、モノマ-の仕込み量により分子量の大きさを制御可能であった。(2)亜鉛のNー置換ポルフィリン錯体を開始剤として用いることにより、ポリエ-テルとポリチオエ-テルからなる分子量分布の狭いブロック共重合体が合成された。(3)ルイス酸として崇高い有機アルミニウムを添加することにより、アルミニウムポルフィリン錯体によるメタクリル酸エステルの重合反応をリビング性を犠牲にすることなく飛躍的に加速できることを見い出した。また、同様に、環状エ-テルであるエポキシド、環状エステルであるラクトンの重合反応においても著しい加速効果が観測された。更に、これらの高速で進行するリビング重合を利用すると、分子量の極めて大きな(場合によっては100万以上)ポリマ-を分子量のばらつきなく合成できることも見い出した。従って、今後の展開において異なるモノマ-の高速リビング重合を連続的に行なうことにより、超高分子量を有する構造明確なブロック共重合体が設計できるものと期待される。
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