研究課題/領域番号 |
02453141
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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研究分担者 |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助手 (20226038)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ダイナミックNMRスペクトル / コンホメ-ション解析 / X線結晶解析 / シクロヘキサノン / チアンー1、1ージオキシド / トリアゾ-ル / 屈折型コンホメ-ション / シグモイド型コンホメ-ション / アキシアルコンホ-マ / チアン / チアンー1ーオキシド / チアンー1,1ージオキシド / ジヒドロチイン / 軌道相互作用 / 機能性分子 / 屈折型コンホ-ション |
研究概要 |
我々は、分子の立体化学や反応を、電子的要請によって制御する新しいシステムの開発研究を展開している。その一環として、環内にC=0、S(0)_2などの強力な電子吸引基を有する4位アルコキシ及びシリロキシ置換(以下両置換基をRO基と略)無水グルタル酸及びそのイミド体、シクロヘキサン誘導体、チアンー1、1ージオキシド体などのダイナミック ^1Hー及び ^<13>CーNMR分析によるコンホメ-ション解析を試みたところ、いずれの化合物の場合もRO置換基がアキシアル(axと略)配置を有する椅子型コンホメ-ションの優先性(70〜98%)が明らかにされた。このaxコンホ-マ優先性は6員環内の強力な電子吸引性基の存在のみならず、RO置換基の酸素原子の電子密度にも影響されていることが明らかにされた。シクロヘキサノン誘導体、トランス型チアンー1ーオキシド体、チアンー1、1ージオキシド体は結晶状態でもRO置換基ax配置を有する椅子型コンホ-マを採用していることが、それらのX線結晶解析から明らかにされた。4位RO置換ジヒドロチイン及びその1、1ージオキシド体はチアン類の場合と異なり、いずれも溶液中でRO基シュ-ドaxコンホ-マが有利に存在している。上述の現象を支持する要因として、我々は、RO基隣接炭素原子axCーHσ軌道とCーORのCーOσ^*軌道との相互作用によるaxコンホ-マの安定化という仮説を提唱した。ジヒドロチイン類の場合は、C=CπとCーOσ^*軌道相互作用によると考えている。また、トリアゾ-ル誘導体と各種炭素環状芳香環を適当な長さのスルホン酸エステルにて架橋すると両芳香環が積層した屈折型コンホメ-ションを優先的に採用することを各種デ-タより詳細に明らかにした。その情報を基盤として、ナフタレンと2つのベンゼン環及び複素環を2箇所でスルホン酸エステルにより架橋すると、芳香環積層シグモイド型コンホメ-ションを採用するという興味ある知見を見出した。
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