研究課題/領域番号 |
02453143
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
兼松 顯 九州大学, 薬学部, 教授 (70023041)
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研究分担者 |
永島 茂 九州大学, 薬学部, 助手 (90228007)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 分子内環状反応 / アレニルエ-テル / 全合成 / フォルスコリン / ユ-リフラン / フラン環転送反応 / ラクトン / フラン / 分子内環化 / フオルスコリン / 不斉合成 |
研究概要 |
アレニエ-テルの分子内環状反応に関しての基礎的な研究を踏まえ、縮環型ラクトン化合物の極めて効率的な合成法を開発した。更にこの戦略法を、生理活性天然物フォルスコリン(Forskolin)の全合成に組み込み、その不斉全合成を達成することができた。 原料のアルコ-ル体は、αーヨノンから4段階で合成した。ここで得られたアルコ-ル体をプロパギル化し、次いで塩基性条件下で処理するとアレニルエ-テルを経由したDielsーAlder付加体が得られ、水和・酸化を行うことによりラクトン体を得た。一方、付加体のメタノ-ル付加より得られるヘミアセタ-ル体に対し、ハイドロボレ-ション・酸化・エピメリ化を行いケトン体を得、更にエノンに導いた後、有機銅試薬による共役付加を行いメチル化した後、再びエノンとし、更にヘミアセタ-ルをラクトンに再生することにより有用合成中間体のラクトン体を得た。本品は旋光度を含む物性値がCoreyらの報告とよく一致した。 また、ジエン部分にフラン環を用いたアレニルエ-テルの分子内環状付加反応を利用して、縮環型フラン化合物の効率的な合成法であるフラン環転送反応(Furan Ring Transfer Reaction:FRT反応)の開発にも成功した。この戦略法を利用して生理活性天然物ユ-リフラン(Euryfuran)の新規全合成経路を開発することにも成功した。 原料となるジオ-ル体はトリーOーアセチルーDーグルカ-ルより2段階で合成した。まず一級アルコ-ルの選択的保護の後、プロバルギル化を行い、1回目のFRT反応を適用した。更に接触水素添加・酸化を行い、得られたケトン体のジェミナルジメチル化後、還元によりケトンを再びアルコ-ルとした後、脱水を行い二環性のフラン化合物を得た。次に一級アルコ-ルを脱保護後、プロパルギルエ-テルに誘導し、2回目のFRT反応を適用し、さらに生じたアリルアルコ-ルを[3,3]転位を利用して核環位にメチル基を導入し、三環性のフラン化合物を得、更に引き続く変換によりユ-リフランを得た。本品はスペクトルの詳細な比較により天然品と同一でることが確認された。
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