研究概要 |
本研究の実績をまとめると以下の通りである。1)まずシリカゲル(粒径5μm,細孔径120A)を3ーモリホリノプロピルトリメトキシシランと処理して化学修飾化カラム(1)を調製した。これを用いて行った水溶性ビタミン混合物(6種)の分析定量,さらにプリン核を有する核酸関連旨味成分の分析が水(緩衝液)のみの溶離液で終始高性能かつ再現性良く実行できることを見出した。2)応用としてビタミン製剤および健康食品,輸液,注射液等中のビタミンの簡易迅速分析法の開発を図った。3)1)の経験を踏まえて(1)のエンドキャップ化とピペラジノ-およびピペリジノプロピル基を導入した充填剤(2),(3)の調製・応用を行った。4)粒径5μm細孔径200,300,1000Aのシリカゲルを基剤にして同様な化学修飾を試み,糖類(単糖,多糖),プリン核を有する核酸塩基類およびペプチド・蛋白質等の簡易分離分析さらには尿や血液成分の分析を検討した。5)HPLC分析の際の検出手段として被検物質の特徴に応じた種々の検出法(UV,VIS,FL,化学発光,RI等)を順次検討した。6)[(2)R=H]および3ーアミノプロピルシリル化シリカゲル(4)を基剤としてアミノ基にさらに各種官能基を有するフラグメントを化学結合させ高機能性化学修飾ゲル(5)を各種調製した。この際,分析対象物質の極性(イオン性,疎水性,親水性,πーπ相互作用性)に応じて分離分析が可能となることが期待される基を導入することを試みた。7)6)で調製した(5)の充填カラムを用いてそれらの特性を詳細に調べプリン核を有する核酸関連物質がよく分離定量ができることが判った。さらにATPase活性測定への応用を行なった。8)これら充填剤の製法ならびに性能に関して特許(日,米,欧)申請を行なった。
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