配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
動物細胞の細胞分裂の桟構を分子レベルで解明するため,テトラヒメナの分裂に関する突然変異株,cdaAやcdaCなどを用いて,分裂面沢定桟構,分裂溝形成桟構,分裂溝陷入桟構,分裂溝の収縮環微小繊維の脱重合桟構,収縮環収縮のCa^<2+>ー制御桟構などについて解析した。 分裂面の決定には,cdaAの変異遺伝子産物であるp85が関与し,かつ,アクチンの重合核となり収縮環微小繊維が形成されることを,蛍光抗体法や非桟能性収縮環形成を起すウサギ骨格筋アクチンのテトラヒメナへの注射法で明らかにした。分裂溝陷入ではcdaCの解析により,収縮環アクチン繊維を束化するアクチン結合蛋白質が変異遺伝子産物であり,収縮に極めて重要な役割を担うことが判明した。我々は最近テトラヒメナの14mm繊維に結合する蛋白質をみつけ,その遺伝子の解析からEF-1αであることをつきとめた。EF-1αはアクチン繊維を束化する性質をもつのでcdaCとの関係を検討している。細胞質分裂では収縮環の収縮に伴って微小繊維の脱重合が起ると提唱されてきたが,その実体は全く不明であった。この点に関し,アクチンの重合阻害因子であるプロフィリンをテトラヒメナで初めて精製することに成功した。そして、その蛍光抗体像から,プロフィリンが分裂溝にアクチン繊維と共に局在することを見出した。これは,分裂の分子桟構にとっても,プロフィリンの新らしい桟能にとっても重要なことなので,テトラヒメナ内にプロフィリン遺伝子やその改変遺伝子を尊入して桟能を検討している。分裂溝の収縮に於けるCa^<2+>ー制御桟構については,我々はテトラヒメナで,カルモジュリン,TCBP-23,TCBP-25の3種のCa^<2+>ー結合蛋白質の遺伝子をクローン化したので,これらや改変した遺伝子を大腸菌で発現させている。現在,これらの蛋白質の精製を行い,テトラヒメナに注射し,これらのCa^<2+>ー結合蛋白質の分裂への役割を検討している。
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