研究課題/領域番号 |
02454060
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学・栄養化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松沢 洋 東京大学, 農学部, 助教授 (00011966)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | アクアライシンI / 耐熱性プロテア-ゼ / 菌体外プロテア-ゼ / 分泌 / プロセシング / プロ配列 / 蛋白質のホ-ルディング / 酵素前駆体 / プレプロ構造 |
研究概要 |
アクアライシンIは、プロテア-ゼ部分のN末端側にシグナル配列とプロ配列を、C末端側にもプロ配列を持つ前駆体として合成される。大腸菌でこの遺伝子を発現させると、酵素は菌体外に分泌せず、前駆体が外膜画分に結合して蓄積する。この前駆体は自分のプロテア-ゼ活性により、65℃で成熟酵素にプロセシングされる。アクアライシンIの酵素蛋白質の折りたたみと菌体外分泌において果たす、両プロ配列の役割を以下のように明らかにした。 1.アクアライシンI前駆体のN末端プロ配列(113アミノ酸残基)は、前駆体の安定な構造と形成と活性ある酵素の生成に必須である。 2.C末端プロ配列(105残基)は、活性あるアクアライシンIの生成に必須ではない。 3.非共有結合的に合成されたN末端プロ領域は分子チャペロンとして機能し、プロテア-ゼ領域の正しい折りたたみを助ける。この際、プロテア-ゼ領域に結合して存在するC末端プロ配列は、活性ある酵素の生成にむしろ阻害的である。 4.成熟酵素部分とC末端プロ配列から成る38K前駆体が細胞膜画分(外膜)に結合するのに、C末端プロ配列は必須である。 5.高度好熱菌Thermus thermophilusの宿主ーベクタ-系を用いたアクアライシンI遺伝子の発現系を確立し、アクアライシンIの菌体外分泌に成功した。 6.上記の発現系で、C末端プロ配列にC末端側から10アミノ酸残基以上の欠失がある場合には、酵素の菌体外への分泌は認められない。したがって、C末端プロ領域は酵素の分泌に必須であると考えられる。
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