研究課題/領域番号 |
02454063
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
足立 収生 山口大学, 農学部, 教授 (20027189)
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研究分担者 |
品川 恵美子 宇部工業高等専門学校, 助教授 (20116726)
松下 一信 山口大学, 農学部, 助教授 (50107736)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | ピロロキノリンキノン / キノプロテイン / 補酵素 / PQQ付加体 / 生育促進活性 |
研究概要 |
セリンとPQQと反応させると、2種類のPQQ付加体が形成される。それらの生成比は反応時のPHによって決定されることを明らかにした。アルカリ域での反応では、すベてのアミノ酸から共通してPQQオキサゾールが生成するが、酸性で反応させると、側鎖のあるPQQ付加体を形成した。両者は交互に変換することはなく、安定は分子種であった。PQQは反応性に富んでいるために、種々な化合物と反応して、複雑な付加体を形成するために、PQQ付加体の存在を確認することは通常の機器分析法では困難なところである。しかしながら、これらのPQQ付加体の解析に徴生物によるバイオアッセイが好適であり、PQQ付加体の培地への添加によって、徴生物の生斉の誘導期が著しく短縮され。生育は促進されることが示された。このバイオアッセイ系によれば、PQQは加体付、標準PQQの示す生理活性の100倍以上の強度で生育促進活性を示すことを明らかにした。PQQ付加体の分子種間における生育促進活性の強度には差はほとんど見られなかった。 最も広く生化学的に使用されている大腸菌を使って、これまでの結果が再現できるかどうかについて検討した。大腸菌は単純な合成培地によく生育するので、これまでは生育促進物質について記載がなかった。PQQ付加体が大腸菌の培地に加えられると、大腸菌の細胞膜にあるグルコース脱水素酸素がホロ化され、対照区に比べて著しい生育促進が見られた。グルコース脱水素酸素反応の結果、細胞膜の電子伝達鎖においてATPが生成され、これが糖質のリン酸化に使用される結果、糖のとり込みと糖代謝が開始され、細胞の生育の初期に必要なエネルギーが獲得されるものと考えられる。生育速度が定常状態に達すると、エネルギー効率のよい代謝系が卓越して、PQQ付加体の添加効果が見られなくなるものと結論した。
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