研究課題/領域番号 |
02454066
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
五十嵐 恒夫 北海道大学, 農学部, 教授 (80001501)
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研究分担者 |
渋谷 正人 北海道大学, 農学部, 助手 (10226194)
林田 光祐 北海道大学, 農学部附属演習林, 助手 (10208639)
夏目 俊二 北海道大学, 農学部附属演習林, 助手 (30180532)
船越 三朗 北海道大学, 農学部附属演習林, 助手 (60001476)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | アカエゾマツ / 天然更新 / 更新阻害要因 / 種子腐敗病 / Racodium therryanum / 野ネズミによる種子捕食 / L層 / 地表かき起し / 落葉層 / 地表かきおこし / 相対照度 / <Racodium>___ー <therryanum>___ー |
研究概要 |
アカエゾマツの天然更新初期段階で、更新を阻害していると考えられる菌類、野ネズミ、林床の水分や光環境などの要因について調査を行った。また、天然椎苗の発生地において生育環境の解析も行った。 林床で越冬させたアカエゾマツ種子から、6種類の糸状菌を分離したが、このなかで種子を腐敗させるRaco-dium therryanum、椎苗の立枯病をおこすRhizoctonia solani、Fusarium rosumeが重要な菌である。立地との関連でみると、Racodium菌は蛇紋岩土壌や有機物を除去した人工裸地には存在せず、ここでの種子発芽は良好であった。苫小牧地方の火山灰土壌では、Racodium菌は少なかったがRhizoctonia菌やFusarium菌は多かった。ここでは、種子の発芽は良好であったが、稚苗の消失が多かった。 ササが密生する森林内では、種子は野ネズミに直ぐに捕食されるが、地表かき起し処理によって裸地にした場所では捕食率が低下した。裸地の内部に10m入ると、種子の捕食率は極端に減少した。地表処理によってササを除去することが、野ネズミの活動を制限し、種子の生存率を高めた。 土壌含水率の季節的変化は、L層の含水率が10〜70%と変動が大きく、L層の上の種子は乾燥死死やすいことが明らかになった。光環境についてはアカエゾマツ林内・ササ地・人工裸地での稚苗や植栽木の調査からアカエゾマツの稚苗や植栽木が良好な生育をするには、相対照度30%以上を必要とすることが判明した。 阿寒、十勝岳、天塩の各地で調査した天然更新アカエゾマツ稚苗の生育環境は、コケ型林床、倒木上、マウンド上、切り株上、裸地である。アカエゾマツ天然更新の促進には、林内の小さいギャップに対する地表かき起し処理が有効と考えられる。
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