研究課題/領域番号 |
02454079
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 克 京都大学, 農学部, 助教授 (20155170)
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研究分担者 |
豊原 治彦 京都大学, 農学部, 助手 (90183079)
青海 忠久 京都大学, 農学部, 助手 (10144338)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 変態 / 異体類 / 甲状腺ホルモン / コルチゾル / 内分泌機能 / 消化系 / 免疫系 / 黒色素胞分化 / ヒラメ / 胃腺 / ヒラメ仔魚 / 胸腺 / 免疫機能 / 仔稚魚 / プロラクチン |
研究概要 |
本研究は、異体類の変態に伴って生じる体の構造的変化と機能的変化及びそれらに関わる甲状腺ホルモンやコルチゾルの役割を明らかにすることを目的に行なわれた。 本研究で取り上げたヒラメ科、カレイ科及びササウシノシタ科の7種の異体類では共通して変態期に甲状腺ホルモンのサージが観察され、異体類に共通した変態機構の存在が推定された。コルチゾルはヒラメやプレースではT_4サージに先行して体組織中濃度の上昇が認められ、変態との関わりが推定されたが、魚種や飼育条件によって変態期の動態は異なった。異体類の変態期における内部構造上の最も代表的な変化は消化系にみられ、胃腺を備えた機能的な胃の分化や幽門重の分化による成体型の消化系が確立する。これらの構造的変化に対応して、ペプシン様酵素活性が急激に高まるとともに、蛋白質の消化に細胞内消化から細胞外消化への転換が生じる。これらの消化吸収機構の変化には、甲状腺ホルモンが深く関わることが確認された。 変態期のヒラメ仔魚では胸腺・腎臓・脾臓などのリンパ器官に小リンパ球が出現し、生体防御機構にも変化が生じる可能性が示唆された。特に、変態最終段階には一時的に胸腺の退縮がみられ、それはコルチゾル濃度の上昇と関連し、変態期における内分泌系と免疫系の機能的関連が示唆された。 異体類の変態は有眼側と無眼側における体色の分化に特微づけられる。ヒラメの変態期には体左側の皮膚では色素芽細胞の分化が促進されるのに対し、右側の皮膚ではそれらは委縮崩壊する。ヒラメ成魚では有眼側の皮膚に黒色素胞分化誘導因子が、無眼側には分化阻止因子の存在が確認され、これらの因子の変態期における動態が今後の重要課題として注目された。
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