配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
研究概要 |
1.クルマエビ筋肉を低温に貯蔵するとATPが激減し,AMPとIMPが蓄積した。K値は緩慢に増加した。グリコーゲンと解糖系中間代謝産物含量は比較的低く,低温貯蔵中にスムーズに代謝され乳酸に変化した。主要遊離アミノ酸はグリシン,アルギニン,プロリン,グルタミン酸,アラニン,タウリンであった。オルニチンは貯蔵中に増加し,鮮度判定指標として有用であった。ポリアミンとしてプトレシンのみが検出された。脂質含量は約1%であり,リン脂質とステロールが主要成分であった。リン脂質はホスファチジルエタノールアミンとホスファチジルコリンが主成分であった。貯蔵中に加水分解が起こり,遊離脂肪酸が増加した。EPAが貯蔵中に減少し、酸化される主要な不飽和脂肪酸であることがわかった。2.ホタテガイ閉殻筋のATPの分解,アルギニンリン酸の減少,オクトピンの増加は-3℃貯蔵で最も速く,次いで0℃,5℃の順であった。AMPはあまり蓄積せず,イノシン(HxR),ヒポキサンチン(Hx)への分解が貯蔵初期からみられた。IMPとアデノシン(AdR)が少量検出され,AMPは2経路を通ってHxRに分解された。D-乳酸が貯蔵中に増加,蓄積し,オクトピンとともに解糖系最終産物であった。D-乳酸は鮮度判定指標として有用であった。3.マボヤ筋膜体を貯蔵するとATP,ADP,AMPが減少し,HxR,Hxが増加した。Hxは時間とともに増加し,鮮度判定指標として有用であった。IMPとAdRが少量検出され,AMPは2経路を通ってHxRに分解された。K値の上昇はかなり速やかであった。グリコーゲン含量は2月に2%と最も低く,増加して8月に最高値(9%)に達し,その後減少した。グルコースが貯蔵中に著しく増加し,グリコーゲンはアミロリティック経路で分解された。G6P,F6P,FDPも検出された。また貯蔵中に乳酸の増加がみられた。
|