配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
本研究では,畑作における降雨の有効利用と下層土からの上昇水分の積極的な利用を前提とした潅漑スケジューリング手法の検討と,これに対応する節水型の用水計画手法ならびに潅漑システムの操作手法の確立を目的とする。得られた成果の概要はつぎの通りである。 1.有効雨量および消費水量の算定:本研究ではTRAM法を適用し,潅漑地区で日々使用される用水量から消費水量を逆算する手法として用いることを着想した。ここで潅漑の時系列は,潅水量と潅水時期の二つの変数の組合せであるので,適当な評価凾数の導入によって,確度の高い消費水量の推定が可能となった。 2.土壌水分動態と下層土からの用水補給:二層モデルによる土壌水分動態シミュレーションとクロボク土圃場における現地実験から,下層土から根群層への水分の上昇補給の発生時期とその量を明らかにした。また,この種の問題に対する二層モデルの有効性を検証した。 3.蒸散量と蒸発量の分離:作物の水分利用効率を高め,合理的な節水潅漑を行なうためには,作物からの蒸散量と土壌からの蒸発量を分離して把握することが必要である。ここでは,土・作物・大気システムにおけるエネルギー変換と水輸送を説明するための数理モデルを提案し,土壌表面からの蒸発量と作物体からの蒸散量の定量評価を可能にした。 4.潅漑スケジューリングとシステム操作:用水利用の実態調査によれば,用水需要の日変動はかなり大きいものである。これに対応するための潅漑システムの操作,とくに圧力調整と流量調整の精度とこれを可能にする調圧システムに対する水理解析を行なった。 これらの成果は,ICSS,ASCEおよびASAEに公表した。
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