研究概要 |
土壌処理による家畜尿汚水の浄化機構を明らかにし,菌体や水処理剤の浄化改良効果についても調べ,さらに処理水の再利用と家畜ふんの性状改善についても検討し,以下のような結果を得た。 1)麻布大学の土壌処理施設の浄化効果を調査し,処理により水質が効率良く浄化され,TN以外は排水基準に適合することが確認された。2)ローズ・スカムレスが供試した8種の菌体のうち一次処理に有効であることが分った。3)塩化第二鉄と硫酸アルミニウムが供試した8種の水処理剤のうち透過率の向上,SSやCODの低減に最も有効であることが確認された。4)NK-2G株はPVCアルコール-硼酸法により固定化した5種の脱窒細菌のうち,脱窒効果が優れていることが分かった。5)浄化における土壌と植物の効果について,植物区,裸地区を設け,ポット試験を行なった。ほとんどの汚染は植物と土壌の効果により除去されたが,裸地区でのCOD,SSおよびTNの除去は植物区に比べ少なかった。6)土壌の物理性を効果的に改善する目的でミミズ(Eisenia foetida)を用いた結果,浄化効果,特にアンモニア性窒素の除去に効果が認められた。7)処理水の具体的な有効利用の一つとして養魚利用に注目した。二次処理水でコイの飼育を行った結果,その成長や生存になんら悪影響がないことを認めた。8)豚のふんの減量化と性状の改善の試験を行い,メイセラーゼ,デリカーゼなどの酵素の有効性を確認した。
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