研究課題/領域番号 |
02454123
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野間 昭典 九州大学, 医学部, 教授 (00132738)
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研究分担者 |
尾野 恭一 九州大学, 医学部, 助手 (70185635)
松田 博子 九州大学, 医学部, 助教授 (10181736)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 心臓 / ペースメーカー / 膜電流 / Caチャネル / 陽イオン電流 / 背景電流 / 心ペ-スメ-カ- / 陽イオンチャネル / Clイオン / Kイオン / 自動興奮性 / パッチクランプ法 |
研究概要 |
ウサギ心臓の洞房結節よりペースメーカー細胞を単離し、そのイオン電流をパッチクランプ法により解析した。過分極で活性化される陽イオン電流については、電流の活性化の速度が膜電位だけでなく外液の陽イオン組成により影響されることを発見した。外液Na濃度の減少で過分極による活性化の速度が遅くなることは、時定数と膜電位の関係がNa濃度の減少に伴い負電位側に平行移動することによる。外液の陽イオン種を換えてもそれらの速度が変化する。開閉機構を説明するため、二つの閉状態と三つの開状態を仮定したモデルを作成し、陽イオン電流の関与を計算すると全電流の10-20%であることが解った。Ca電流については拡張期緩徐脱分極の電位範囲で活性化するものを保持電位を-70-80mVにして検索したところ、L-あるいはT-型電流と異なる電流を発見した。この電流は-60mVより脱分極側で活性化され、電流の最大振幅はL-型電流の約20%程度であるが、不活性化は拡張期電位の範囲では極めて遅い。Ca拮抗薬によって抑制されカテコラミン刺激によって増大することから、Caチャネル類似の構造を有すると考えられる。この新たな電流系はペースメーカー電位発生に重要な寄与をしていると考えられる。背景電流としてイオン選択性の弱い陽イオン電流成分が記載されているが、我々はムスカリン受容体によって制御されるKチャネルの自発活動による電流の関与を調べた。外液を高K液にするとこのチャネル活動に基づく電流が増幅され、それには明かなチャネルの開閉による微小ノイズが伴っていた。チャネルの自発活動は細胞内のMg、ATPに依存することが解っているが、この高K液により増幅された電流はこれらの物質を細胞内から除去すると消失した。雑音解析で単位電流振幅やチャネルのキネティックスを求めると、ムスカリンチャネルの性質と良く一致していた。背景電流のうち、外向き電流は殆どこのチャネルによることが示唆された。
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