研究課題/領域番号 |
02454159
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
木南 英紀 順天堂大学, 医学部, 教授 (10035496)
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研究分担者 |
勝沼 信彦 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50035375)
石堂 一巳 順天堂大学, 医学部, 助手 (40212906)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | リソゾ-ム / プロテア-ゼ / カテプシン / 骨吸収 / 神経細胞 / 変性 / アルツハイマ-病 |
研究概要 |
(1)骨吸収とリソゾ-ムプロテア-ゼの研究:数週間低Ca食でラットを飼育すると、骨粗鬆は進展し、大腿骨中のカテプシンB及びL活性は数倍に増加したが、コラ-ゲナ-ゼ活性の上昇はなかった。Eー64を低Ca食動物に投与すると、骨中のカテプシンBの低下と共に血中のCa濃度の上昇が著明に抑制された。しかし、カテプシンBの特異的なインヒビタ-の投与では、骨中のカテプシンBの低下にかかわらず血中Ca濃度の低下は起こらなかった。マウス頭頂骨の培養実験でも骨吸収を促進するPTHや活性型ビタミンDの添加により、カテプシンL(大部分はプロカテプシンL)がカテプシンBより多く培地中に放出されることがわかった。さらに、中のカテプシンL量はPTHにより増加しており、強いコラ-ゲン分解能をもつカテプシンLの重要な役割が示唆された。形態学的手法で、カテプシンLは破骨細胞に局在することを証明した。(2)神経細胞の変性とリソゾ-ムプロテア-ゼ:遅発性神経細胞死のモデルとしてスナネズミの虚血脳を用いて行なった。カテプシンL,B及びCは正常神経細胞ではリソゾ-ムに局在するが、神経細胞の変性と共に染色性が弱くなるもの、逆に強くなるものが混在した。一方、カテプシンHは正常神経細胞には局在しないが、かなり初期より変性神経細胞の周辺のグリア細胞に陽性となり、次第に強くなる。反応性アストログリアは7日目をピ-クとして脱落細胞の周辺に多数出現した。カテプシン群は神経組織の変性過程の動態を調べるための良いマ-カ-となった。アルツハイマ-脳では神経細胞の変性につれ、リソゾ-ムとその内容物が細胞から出てくる、つまり細胞外の老人班にもカテプシンの免疫反応が局在することを見いだした。カテプシン群は他の膜を破壊する酸水解酵素とともに前駆体蛋白を切断し、βー蛋白の形成を促進するかもしれない。以上の病態に関する研究と並んで関連の研究も進展した。
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