研究課題/領域番号 |
02454167
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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研究分担者 |
池田 秀利 愛知がんセンター, 研究所, 室長 (60101119)
片桐 拓也 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70126100)
木村 幹男 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90114462)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1991年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1990年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | マウス / 自己免疫病 / lpr^<cg>遺伝子 / 全身リンパ節腫脹 / CD4^ー8^ーT細胞 / gld遺伝子 / 胸腺 / 自己抗体 / 異常T細胞 / ホ-ミング |
研究概要 |
CBA/klコロニ-で発見した全身性リンパ節腫脹を起こすミュ-タントマウスは、lpr座の突然変異であるが、別の染色体上のgld遺伝子と相補的に作用し全身性リンパ節腫脹を起こす極めて特徴的な遺伝子を持つことを証明し、これをlpr^<cg>と命名した。CBAーlpr^<cg>マウスでは免疫グロブリン血症、自己抗体、リウマチ因子、腎炎などが見られ、自己免疫病のモデルとなり得る。lpr^<cg>とgldの相補作用により惹起されるリンパ節腫脹はTCR_β鎖の再構成をもつCD4^ー8^ーB220^+異常T細胞により構成され、基本的にはlpr、lpr^<cg>とgldにより誘発される病気と同じであるが、加齢により腫脹が軽減し、自己抗体でIgM→IgGスウィッチが遅れている点で異なる。骨髄移植とリンパ節移植の組合せにより、lpr^<cg>異常T細胞はlpr^<cg>リンパ節のみを腫脹させ、正常及びgldリンパ節を萎縮させるのに対して、gld異常T細胞は正常、lpr^<cg>とgldのすべてのリンパ節を腫脹させる、即ちgldとlpr^<cg>の表現型がリンパ節レベルで異なることを証明した。lpr^<cg>とnuのダブルミュ-タントマウスを作出し、このマウスではリンパ節腫脹が起こらず、正常とlpg^<cg>のいずれの胸腺を移植してもリンパ節腫脹が起こることを証明した。lpr^<cg>異常T細胞の出現に胸腺が必須であるが、その遺伝子型は関係ないことがわかった。病理学的観点からcBAーlpr^<cg>マウスで起こる腎炎、血管炎、関節リウマチなどの症状はそれ程重症でない。MRLーlprでは重症な症状が認められることから、lpr^<cg>遺伝子をMRLマウスへ導入した。その結果得られたMRLーlpr^<cg>マウスでは重症な腎炎、血管炎と関節リウマチが起こり、4〜5ヶ月齢で自己免疫病症状により死亡することがわかった。これは自己免疫の病態は主要遺伝子に対して背景遺伝子が作用することにより複雑に変化することを示している。またMRLーlpr^<cg>は有力な自己免疫病モテ-ルとなり得る。lpr^<cg>遺伝子を第19染色体にマッピングしつつある。
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