研究課題/領域番号 |
02454170
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
白井 俊一 順天堂大学, 医学部, 教授 (30115860)
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研究分担者 |
丹野 正隆 順天堂大学, 医学部, 助手 (50171913)
上田 源次郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (90203439)
野口 一雄 順天堂大学, 医学部, 助手 (10208316)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | BーCLL / CDS B細胞 / Hー2ーcongenicマウス / 自己免疫 / MHC / MHCクラスII分子 / New Zealandマウス / SLE / CD5B細胞 / クロ-ナル増殖 / New zealandマウス / Hー2 congenicマウス / I領域遺伝子 |
研究概要 |
CD5B細胞は、主に自然抗体や自己抗体を産生するB細胞亜系であり、自己免疫疾患との関連が注目されているが、一方、B細胞性慢性リンパ性白血病(BーCLL)の大部分がCD5B細胞由来であることも明らかにされ、この両疾患の関連性が問題となってきている。我々は昨年度に続き、この両病態に主要組織適合遺伝子複合体がどのような影響を与えるか、という観点から、両病態の発症に密接に関連すると考えられるCD5B細胞に焦点を当て解析した。方法としては、他の背景遺伝子は同じでありながら、MHC領域のみの異なるHー2ーcongenic New Zealandマウス系(NZB、NZW、NZB X NZW F1)を生産し、自己抗体、特に抗DNA抗体産生とSLEの発症に与えるMHCハプロタイプの影響、抗DNA抗体生B細胞亜系の同定、CD5B細胞のクロ-ン性増殖とBーCLLの発生の有無等に関し検索した。当年度は、Hー2ーcongenicマウスの産生産を完了することに務め、9系統、つまり、NZB.Hー2^<d/d>、Hー2^<d/z>、Hー2^<z/z>;NZW.Hー2^<z/z>、Hー2^<d/z>、Hー2^<d/d>;NZB X NZW F1.Hー2^<d/z>、Hー2^<d/d>、Hー2^<z/z>系を樹立した。これらのマウス系でIgG抗DNA抗体の産生を伴うSLEの発症はNZB X NZW F1.Hー2^<d/z>にのみ認められ強いMHC拘束性のあることが判明した。また、このF1マウスで抗DNA抗体を産生するB細胞系を調べたところ、IgM抗体産生細胞はCD5B細胞であるが、加令とともにIgG抗DNA抗体産生細胞へと分化したものはCD5分子を失うことが明かとなった。一方、他のHー2ーcongenicマウスではIgG抗体産生を伴うCD5B細胞の分化は起こらず、従ってCD5分子の消失も見られなかった。このうち、Hー2^<z/z>ホモマウスではCD5B細胞のクロ-ン性増殖が著しく、一部はBーCLLを発症した。このことから、ある特定のMHCハプロタイプが一方では自己免疫疾患、一方ではBーCLLの発症に重要な遺伝的要因となっていることが示された。その機構を現在transgeneにより解析している。
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