研究課題/領域番号 |
02454179
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中江 太治 東海大学, 医学部, 教授 (50102851)
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研究分担者 |
米山 裕 東海大学, 医学部, 助手 (10220774)
佐竹 幸子 東海大学, 医学部, 研究員
石井 純子 東海大学, 医学部, 助手 (20212813)
良原 栄策 東海大学, 医学部, 講師 (70167063)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 外膜 / 透過性 / 人工膜 / 平面膜 / 薬剤耐性 / クロ-ニング / 膜蛋白 / 再構成 / 緑膿菌 / 抗生物質 / 透過孔 / ポ-リン / リポソ-ム |
研究概要 |
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は免疫力の低下した患者に感染を起こす。この菌は高度に薬剤耐性であるため問題である。この菌の薬剤耐性の原因の一つは外膜における抗生物質透過の低さである。そこで本研究では緑膿菌外膜の透過孔の性質と抗生物質透過性の研究を行った。その結果次のような事が明かとなった。 緑膿菌外膜に存在する三種類のポリ-ンを精製し、これを介してのイオンの透過性を電気伝導度として測定した。その結果protein Cは1M NaC1中で約120pSの伝導度を示すような孔を形成した。同様にprotein D2は10ー30pSと約300ー500pSの2種類の伝導度を示し、またprotein E1は約240pSの伝導度を示した。これらの孔はいずれも大腸菌のOmpFが作る孔に比べはるかに小さい事がわかった。 protein C、D2、及びE1をリポゾ-ムに組み込みこれらを介しての抗生物質の透過性を測定した。その結果protein D2を介してイミペネム及びメロペネム等のカルバペネムが効率よく透過する事が明かとなったが、他のβーラクタム剤の多くはprotein C、D2及びE1を介してほとんど透過出来ない事が明かとなり、カルバペネムの透過にprotein D2が重要な役割を果たしている事が明かとなった。 そこでイミペネム透過性に果たすprotein D2の役割をin vitroで確認するためprotein D2の遺伝子をクロ-ン化しこれをprotein D2欠損株で発現した。その結果protein D2が欠損した事によってイミペネム耐性となっていた変異菌はprotein D2の発現によって野性株と同様にイミペネム感受性となった。これらの結果から緑膿菌における薬剤透過性の低さには透過孔が小さい事が原因である事及び分子量の小さなイミペネムはprotein D2を介して効率よく透過する事が明かとなった。
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