研究課題/領域番号 |
02454204
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
野見山 一生 自治医科大学, 医学部, 教授 (80048967)
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研究分担者 |
平井 学 自治医科大学, 医学部, 助手 (50238333)
野見山 紘子 自治医科大学, 医学部, 講師 (70049039)
中世古 博幸 自治医科大学, 医学部, 助手 (60221446)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1991年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1990年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 低蛋白食 / ベンゼン / トリクロルエチレン / カドミウム / 鉛 / 水銀 / 毒性増強 / 造血毒性 / 感受性 / 毒性増悪 / 腎毒性 |
研究概要 |
同じように化学物質の曝露を受けても健康を障害し易い人達がいる。こうした高感受性をもたらす因子について検討し、高感受性を制御し健康影響を防止することも必要である。そこで、今回は、蛋白摂取不足について検討した。1)蛋白摂取不足のベンゼン毒性に及ぼす影響:蛋白摂取レベルが軽度低下すると白血球数の減少が著しくなり、蛋白摂取レベルが著しく低下すると各種の健康影響パラメ-タ-が著しく悪化した。2)蛋白摂取不足のトリクロルエチレン毒性に及ぼす影響:軽度の蛋白摂取レベルの低下で腎尿細管細胞の細胞学的、生化学的機能異常が起り、蛋白摂取レベルが半減すると造血系の機能異常が起った。3)骨髄細胞を用いた蛋白摂取不足のベンゼン、トリクロルエチレン毒性に及ぼす影響の検討:蛋白レベルが著しく低下するとベンゼンの骨髄毒性が強く発現する可能性が十分にあると考えられた。トリクロロエチレンはベンゼンとは骨髄に対する作用機序が違うようであるが、蛋白摂取不足により骨髄毒性が高まる可能性があると考えられる。4)蛋白摂取不足のカドミウム毒性に及ぼす影響:蛋白摂取レベルが軽度低下すると腎細胞障害が、さらに低下すると肝細胞障害が強くなるなど、蛋白摂取レベルが低いほどカドミウムの毒性が強くなった。カドミウム毒性の毒性が急に強くなる蛋白摂取レベル(臨界値)は見いだせなかった。5)蛋白摂取不足の鉛毒性に及ぼす影響:蛋白摂取レベルが低くなるほど鉛による体重増加抑制、脂質代謝、血色素代謝の異常が強くなった。ことに、造血機能に対する影響は蛋白摂取レベルが低いほど早期にしかも強く発現しており、鉛毒性の蛋白摂取レベル臨界値は見いだせなかった。6)蛋白摂取不足の水銀毒性に及ぼす影響:蛋白摂取レベルが低いほど、水銀曝露により腎機能異常、脂質代謝異常が強く起こったが、水銀毒性の蛋白摂取レベル臨界値は見いだせなかった。
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