研究分担者 |
田村 ひろみ 杏林大学医学部, 衛生学教室, 実験助手
松井 知子 杏林大学医学部, 衛生学教室, 実験助手
照屋 浩司 杏林大学医学部, 衛生学教室, 助手 (20197817)
角田 透 杏林大学医学部, 衛生学教室, 助教授 (80095629)
MATSUI T KYORIN Univ,Sch of Med,Tech Assist
TAMURA H KYORIN Univ,Sch of Med,Tech Assist
千田 忠男 杏林大学, 医学部, 助手 (60086577)
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研究概要 |
対象地域は脳卒中の発生の少ない地域であり,そのことを背景に成績を評価した。血清総蛋白質と血清アルブミンは,高令者でも高値を示し,高血圧者でもやや高値であった。これは我々が長年にわたり脳卒中の発症阻止因子としての血清総蛋白質,アルブミンの意義を重視してきたところと一致するものであり,改めて確認されたものといえる。血清総コレステロール値については,高令者でも異常低値や異常高値を示す者は少なく高血圧者でやや高い傾向が認められたが,ある程度の水準のコレステロール量が脳卒中の予防に関連しているものとも考えられる。血清ビタミンE値については,50才以上の年代の女性において境界域血圧や高血圧の者で高値を示したが,ビタミンEは脳卒中発症の阻止にも何らかの関わりがあるものとする従来からの我々の推測を支持するものと考えている。アミノ酸については,高血圧者でセリン,グルタミン酸,リジン,ロイシンが高値であったが,従来からの知見を考えあわせると,これらのアミノ酸が何らかの形で抑制的に働いている可能性が考えられる。生活習慣と健康状態についてはについてはさまざまな手法により検討を試みた。今後の資料と合わせての統計的解析の結果を待つ必要があるが,結果について概括的にいえることとして,従来より健康保持に役立つと考えられている習慣の多くが検診の検査成績についてみると好ましい方向に働いていることが確認された。具体的には,適切な食習慣や適当な飲酒,禁煙,適度の運動,充分な睡眠,社会的ネットワークの形成などが健康の保持に益するものと考えられる。しかし,検診において何らかの所見があってもその所見のあることが生活習慣の変容をもたらすように働く例も多数観察され,一時的健康障害者の健康回復という観点から興味ある点である。
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