研究課題/領域番号 |
02454228
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯野 四郎 東京大学, 医学部(病), 講師 (30010309)
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研究分担者 |
四柳 宏 東京大学, 医学部(病), 医員 (30251234)
小池 和彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90234658)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 胃癌 / 肝癌 / トランスジェニックマウス / アデノウイルスE1遺伝子 / B型肝炎ウイルス / HBx遺伝子 / アデノウイルス |
研究概要 |
アデノウイルスE1A+E1B遺伝子、E1A遺伝子、E1B遺伝子をそれぞれマウス乳癌ウイルス(MMTV)-LTRのもとに導入しトランスジェニックマウスを作製した。E1A+B遺伝子をもつマウスでは、高率に胃癌を発生した。この胃癌組織中にはE1A,E1B両遺伝子の高度な発現が認められた。E1A,E1B遺伝子をそれぞれ単独で持つマウスでは、副腎皮質ホルモン投与によって導入遺伝子の発現が維持されたが、胃癌の発生は認められなかった。in vitroでは、発癌のためには経路の異なる2種類以上の癌遺伝子が必要であり、単独では発癌に至らないことが知られていたが、我々の毛かは生体内においても同様の事実があることを示している。 アデノE1マウスと組織適合性遺伝子クラス1トランスジェニックマウスの掛け合わせでは、アデノE1マウスが子供を作らなかったため実現しなかった。infertileであった原因は、おそらく精巣中でE1遺伝子が高度に発現していたため、腫瘍こそ作らなかったものの精子の発達に以上をきたしたためと思われる。E1マウスの一系統でolfactory bulbにneuroblastomaを発生したマウスがあったが、この特徴ある腫瘍中にタイプCレトロウイルスが多数認められた。ウイルスの解析から、内在性のレトロウイルスが活性化されたものと考えられたが、病因と関連している可能性もある。 肝癌については、B型肝炎ウイルスHBx遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作製した。このトランスジェニックマウスでは、肝癌が多発(オスマウスの80%以上)し、HBx遺伝子が慢性B型肝炎ウイルス感染症における肝発癌に大きな役割を果していることが明かとなった。
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