研究課題/領域番号 |
02454233
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
千葉 勉 神戸大学, 医学部, 教授 (30188487)
|
研究分担者 |
松井 利充 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (10219371)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 胃粘膜増殖因子 / TGFーα / EGF / EGF受容体 / チロジン・キナ-ゼ / cyclic AMP / Inositolphospholipid turnover |
研究概要 |
1.急性胃粘膜病変(AGML)患者および、塩酸エタノ-ル誘発AGMLラット血漿からの抽出物を、ヒト胃癌養細胞に投与し、各細胞への ^3Hーチミジンの取り込みの促進が確認された。 2.上記血漿を、硫安分画、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィ-、さらにゲルクロマトグラフィ-にかけた結果、分子量約10万と1万の二つの「胃粘膜増殖因子活性」を精製した。 3.小分子「増殖因子活性」をBio gelクロマトグラフィ-にかけ、ラジオイムアッセイをおこなった結果、本活性はTGFーαであることが確認された。 4.大分子「増殖因子活性」をSDSーPAGE、HPLCにかけ、さらに精製した後、アミノ酸分析をおこない、一部PheーLeuーProーGluーArgーTyrというアミノ酸配列を得た。 5.今回得られた「胃粘膜増殖因子活性」の正常胃粘膜や胃癌の増殖に及ぼす効果を、ガストリン、TGFα、プロスタグランディンE_2(PGE_2)、カルシトニン等と比較検討した。その結果、モルモット胃粘膜に対する増殖促進効果は胃粘膜増殖因子>TGFα=ガストリン>PGE_2>カルシトニンの順に強かった。一方ヒト胃癌KATOIII細胞に対してはTGFα=ガストリン>胃粘膜増殖因子の順で、PGE_2やカルシトニンは逆に抑制作用を示した。 6.一方、細胞内の変化については、PGE_2やカルシトニンが、正常胃粘膜細胞やKATOIII細胞のcAMP合成を促進させたのに対して、ガストリンは、PI代謝回転を促進させ、かつ細胞内Ca^<++>濃度を上昇させた。さらに、「胃粘膜増殖因子」は正常胃粘膜細胞のCa^<++>濃度を上昇させ、かつチロジン・リン酸を促進させたが、KATOIIIに対してはその効果は弱かった。
|