研究課題/領域番号 |
02454260
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石井 當男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90010363)
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研究分担者 |
高木 信嘉 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10163172)
後藤 英司 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30153753)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00128589)
吉岡 正則 摂南大学, 薬学部, 教授 (30012652)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | アデノシン / 交感神経系 / アデノシン受容体 / ヒト腎糸球体 / ノルエピネフリン / 腎血流量 / 糸球体濾過量 / アデノシンー1受容体 / アデノシンー2受容体 / 糸球体 / 大動脈内皮細胞 / 高血圧自然発症ラット(SHR) / 交感神系 / 微量測定 / 腎糸球体 / アデノシンA_1受容体 / アデノシンA_2受容体 / 心筋虚血 / cAMP産生調節 / 5'ーNーethylーcarboxamide adenosine(NECA) |
研究概要 |
本研究では、腎疾患における高血圧の機序をアデノシンと交感神経系、あるいは心房性ナトリウムペプチド(ANP)との係わりから検討することを目的とした。アデノシン受容体には細胞内情報伝達機構に対し全く異なる影響を及ぼすA_1、A_2の受容体が知られているので、まずアデノシン受容体の腎内局在をRadioligand binding assay法により検討した。その結果、ヒト腎糸球体にアデノシンA_1受容体が存在することを初めて見いだした。ついでヒトにおいてアデノシンと交感神経系との関係を調べるため、腎疾患患者の尿につきアデノシンとカテコールアミン排泄量を測定した。アデノシン排泄量とノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミンの排泄量との間には有意な正の相関関係が認められたが、軽ノルエピネフリンの持続静注は、尿中アデノシン排泄量に一定の変化をもたらさなかった。しかし、ノルエピネフリン持続静注時の尿中アデノシン排泄量の変化率と腎血流量、糸球体濾過量、尿中ナトリウム排泄量の変化率との間には有意な正の相関関係が、また腎血管抵抗のそれとの間には負の相関関係が認められた。したがって、内因性アデノシンが交感神経系の活動を規定している可能性があること、そして内因性アデノシンは交感神経刺激時の腎機能の変化を修飾すると考えられた。さらに、高血圧自然発症ラットは対照ラットに比べ、血漿アデノシン濃度が上昇していることを初めて見いだした。また、アデノシンA_2受容体刺激薬、YT-146は、Dah1食塩感受性高血圧ラットの血圧を下降させたが、血漿ATP濃度を変化させないことを観察した。以上により、アデノシンと交感神経系との相互作用が、血圧ならびに腎機能調節に重要であると考えられた。ヒトにおいてアデノシンの筋交感神経活動に及ぼす影響を検討しえなかったが、腎血管性高血圧症あるいは境界域高血圧患者では筋交感神経活動が亢進していることを観察した。
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