研究課題/領域番号 |
02454271
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
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研究分担者 |
杉野 茂人 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60226446)
猪山 賢一 熊本大学, 医学部, 助教授 (10040536)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | DMD / ジストロフィン / 網膜 / RT-PCR / 脳型ジストロフィン / dy関連蛋白 / シナプス / dy mRNA / Duchenne型筋ジストロフィ-症 / 抗ジストロフィン抗体 / 免疫組織化学 / 免疫電気泳動 / dystrophinーrelated protein / Duchenne型筋ジストロフィ- |
研究概要 |
この3年間の研究を通してほぼ初期の目的に添う結果を得ることができた。まず1988年Dr.Hoffmanより譲り受けたプラスミドを含んだバクテリアから蛋白を精製し30KD、60KDの抗ジストロフィン(dy)抗体を作成し希望に従い全国の研究者に供給することができた。dyの生理機能についてはKunkelらの報告後5年を経た現在も結論が得られておらず私たちの最も大きな課題であった。私たちは8種類の抗dy抗体を用いて動物の全身の組織において検討し、(1)骨格筋、心筋、平滑筋を中心とした収縮機能を持った細胞の膜および(2)中枢紳経におけるニュウロン、神経シナプスを中心として存在することを明らかにした。dy関連蛋白(DRP)の存在部位もまたdyの存在部位と同様神経筋接合部や筋腱接合部を中心としてシナプス部位に多いことを明らかにしたが、DRPがdyの欠損状態を補う働きを持つことが考えられることからdy機能もまた同様であるとの認識を強めた。この事実はdyが神経筋の刺激伝達系に関わっている可能性を示唆するものである。私たちが最初に報告した網膜のシナプスにおけるdyについて実際に発現し存在するのかの疑問に答えるため、RT-PCRに用いて、マウスの脳および網膜のdyのmRNAを解析し両組織間での相違を調べたところ網膜dy mRNAの第1エクソンは主に脳型であることが確認された。脳および網膜から通常のdy-mRNAに加え4個のisoformが確認された。dyのmRNAから逆転写でDNAを作り全dyをカヴァーするよう細分しておいて夫々蛋白を合成する新しい手法を用いてポイントミューテーションや女性キャリア診断に大きな進歩をもたらした。またNGFRが筋ジストロフィー症の血管周囲に著明に増加していることを観察し本症における血管機能の問題を示唆し治療の糸口を示した。
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