研究分担者 |
前多 治雄 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20108955)
千田 勝一 岩手医科大学, 医学部, 講師 (30108930)
鈴木 一彦 岩手医科大学, 医学部・小児科, 副手
高橋 明雄 岩手医科大学, 医学部・小児科, 助手 (70163235)
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研究概要 |
新生児呼吸窮迫症候群(RDS)の治療法として我々が開発し、現在本邦で実用化されているSurfactant TA(S-TA)と諸外国で臨床試験中、あるいは、すでに実用化されている6種類のSurfactantの効果を未熟ウサギ胎仔(胎生27日)に経気道的に投与した場合のalveolar expansion indexを用いて比較した。 【各種Surfactantの作製】(1)ブタ肺リン燐脂質分画(Curosurf相当),(2)牛肺洗浄液surfactant脂質(CLSE),(3)purified natural surfactant(PNS),(4)DPPC:PG(ALEC)は各々の原法に従い作製し,(5)ExosurfはBurroughs Wellcome社(USA)より購入,(6)SurvantaはAbbott Internationalより提供を受けた。 【方法・対象】未熟ウサギ胎仔(胎生27±3時間,n=342)をhysterotomyで娩出し、S-TAと他の6種類のsurfactantの経気道投与後(dose-response15,30,50,100,200mg/kg)の肺コンプライアンスを測定後、10cmH_2Oの気道内圧でフォルマリン固定し、肺の薄切り切片(各肺6切片)をHE染色後、肺胞の拡張の程度(alveolar expansion index)をIBASを用いて、画像解析した。mature fetus(n=19)と未熟ウサギ胎仔(胎生27日±3時間,n=19)を対照とした。 【結果】画像解析は総計2041回行なった。S-TA群はmature controlのレベルにまでalveolar expansionを改善し、他のいずれのsurfactantよりも有意に高いalveolar expansion indexを示した。英国のALECと米国のExosurfは200mg/kgでさえ未熟ウサギ胎仔と差がなく、10cmH_2Oのtranspulmonary pressureでは肺胞は虚脱を示した。Curosurf,CNS,Survantaは、いずれも100mg/kgの濃度ではS-TAより有意に低いalveolar expansion indexを示した。 【結論】Surfactant TAは、他の6種類のsurfactantのいずれよりも優れたsurfactantであることが証明された。
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