研究課題/領域番号 |
02454301
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 達 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00090027)
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研究分担者 |
馬場 正三 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40107818)
室 博之 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (20107824)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 類洞内皮細胞 / 急性肝拒絶反応 / Fcレセプター / セアルロン酸 / エンドセリン / 腎機能障害 / enclothelin / 肝移植 / 急性拒絶反応 / Fcリセプタ- / ヒアルロン酸 / 拒絶反応 / 網内系機能 |
研究概要 |
【研究目的】肝網内系(RES)細胞は、肝の代謝に重要な役割を演じ、各種肝疾患におけるRES機能について注目されている。しかし肝移植後の拒絶反応時におけるRES機能についての研究はない。そこで肝急性拒絶反応時における類洞内皮細胞の機能変化とその影響について研究した。 【研究方法及び結果】DA系ラットをdonor、Lewis系ラットをrecipientとした異系間の同所性肝移植を拒絶群、同系間の移植を対照群とした。研究は以下のように2つの主題について行った。(実験1)急性肝拒絶反応時における類洞内皮細胞機能(SEC)の変化を、内皮Fc receptor(FcR)activity及び血中ヒアルロン酸濃度(sHA)を指標として測定し、SECのreceptor-mediated endocytosisの観点より、機能変化を観察した。拒絶群では術後3日目より、対照群に比し、有意に内皮FcR activityが減少し、sHAは上昇した。その後も拒絶反応の進展とともに、FcR acitivityの減少及びsHAの上昇は進行した。一方、臨床上、肝拒絶反応の鋭敏な指標とされる総ビリルビン値は、術後5日目より、拒絶群で上昇した。以上より、SEC機能は拒絶早期より変化することが明らかとなった。(実験2)Endothelinは内皮細胞で産生される強力な血管収縮物質であり、各種腎機能障害の病態への関与が注目されている。我々は肝拒絶反応では内皮細胞障害が特徴であることから、血中endothelin値(ET)の変化と腎機能の関係について検討した。ETは拒絶群において術後5日目以降、有意に上昇した。腎機能の指標、内因性creatinine clearnace(Ccr)及び腎血流量は、拒絶群で同じく5日目以降、有意に低下した。さらにETと腎機能及び腎血流量には有意の負の相関を認めた。以上より、endothelinが肝拒絶反応時の腎機能障害に重要な役割を演じていると考えられた。 【結論】SEC機能は拒絶早期より低下し、endothelinを介して、拒絶における腎機能障害の病態にも関与すると考えられた。
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