研究課題/領域番号 |
02454311
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松田 道生 自治医科大学, 医学部, 教授 (50048980)
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研究分担者 |
前川 久登 自治医科大学, 医学部, 助手 (10221574)
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
諏合 輝子 自治医科大学, 医学部, 講師 (60183844)
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40129028)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 血栓塞栓症 / 血栓形成 / 分子異常症 / 異常フィブリノゲン / プロテインC / モノクロナル抗体 / 血管内皮細胞 / 血栓形成抑制機構 / 血栓症 / 遺伝性分子異常症 / 異常プロテインC / アミノ酸置換 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
1.血液凝固関連物質の遺伝性変異の解析:昨年、中間報告したように、我々がこれまでに分子レベルで構造決定したfibrinogen(Fbg)異常12型の中、γ鎖変異4分子の遺伝子解析を終了した(研究発表14)。また、南米からのFbgs Caracas IIおよびLimaでは共にAα鎖の新しい変異型が見出され、変異により形成された糖付加構造のために余剰糖鎖が同定された。アミノ酸置換に加えて、巨大でしかもシアル酸に富む糖鎖がfibrinの重合を障害しており、その分子機作を観察することが出来た(研究発表9,15)。これらの成績は生体内での血栓形成とその制御調節に関する新しい情報を提供してくれた。その他Fbgs Kyoto IIおよびlseでは未報告の変異を見出し(研究発表10,12)、Fbg Osaka IVでは手術との関係から分子異常症の臨床的側面を検討することが出来た(研究発表13)。血栓の基材をなすFbgの機能ドメインの局在化にこれらの遺伝性変異分子の解析が大きく寄与したことは本研究の成果であった。また、血栓症患者に見出された血栓制御因子Protein Cの異常症、Protein C Yonago(米子)では、血管内皮細胞、血小板等の細胞膜表面での血栓形成に必須とされ、Ca^<++>を介して進むリン脂質への結合が障害されていた。分子および遺伝子解析の結果、これに符合してCa^<++>結合領域内のArgー15(CGG)→Gly(GGG)という新しい型の点変異を同定することが出来た(研究発表16)。 2.血管内皮細胞と血液凝固関連因子との相互反応の解析:Protein Cはvitamin K 存在下に肝実質細胞で生合成されるが、培養血管内皮細胞でも産生されることが分子およびmRNAの経時的増加として確認された(研究発表11)。この事実は新しい知見であり、血栓形成に伴い血流が途絶えた血管内での血栓形成抑制機構を示唆しており、更に検討する必要がある。これらの解析では、本研究で作成した種々の抗体が威力を発揮した。
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