研究課題/領域番号 |
02454317
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
永末 直文 島根医科大学, 医学部, 助教授 (40117198)
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研究分担者 |
林 貴史 島根医科大学, 医学部, 助手 (80243426)
谷浦 博之 島根医科大学, 医学部, 助手 (80171833)
張 玉川 島根医科大学, 医学部, 助手 (20188501)
河野 仁志 島根医科大学, 医学部, 講師 (60145951)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 肝臓 / 移植 / 阻血・再潅流 / 活生酸素 / カルシウム / ミトコンドリア / ライソゾーム / サイクロスポリン / 肝 / 阻血再潅流障害 / ライソゾーム酵素 / クッパー細胞 / 活性酸素 / FK506 / サイクロスポリンA / 肝移植 / 肝阻血 / 再潅流障害 / カルシウムイオン / FKー506 / ケトン体比 |
研究概要 |
肝阻血と再潅流は肝移植施行上さけることのできない過程である。肝阻血によって生ずる種々の細胞障害的因子が、血液再潅流によっていかに増悪あるいは改善するかを、細胞内カルシウム濃度とミトコンドリア機能の面で経時的に観察し、さらに肝移植後に使用される免疫抑制剤(Cycrosporin A、FK506)やカルシウム拮抗剤(Verapamil)の効果と作用機序をこれらの観点より検討し、以下の結果をえた。1.肝阻血再潅流におけるCa^<++>の動態:肝阻血中には肝組織内Ca^<++>は有意に変動しないが、再潅流後15〜30分で著明な上昇がみられた。この上昇したCa^<++>は阻血時間が短い時には急速に低下するが、長くなるとともに再上昇がみられた。これらの現象と活性酸素とは強い関連はみられなかった。2.肝阻血再潅流障害発生におけるKupffer細胞の役割:Zymosan前投与によりKupffer細胞機能を高めておくと,肝阻血再潅流障害はより強く起こった。TNFなどのcytokineを介するものではなく、再潅流時の活性酸素のより強い発生による障害であることが明らかとなった。3.肝移植におけるライソゾーム酵素の変動とその意義:ブタの全肝移植後、血中のβ-galactosidase、β-glucuronidase、β-glucosidaseは短時間内に上昇し、肝障害のライソゾームからみた指標となりうることを明らかにした。4.肝阻血再潅流障害に対するCycrosporin A、FK506の有用性:イヌ、ブタを用いた阻血再潅流実験で、これらの免疫抑制剤の前投与が組織障害を軽減させうることを明らかにし、その作用機序としてライソゾーム膜安定化作用、ミトコンドリア内のCa^<++>濃度調節によるその機能と形態の保全が考えられることを示した。5.肝阻血再潅流障害に対するVerapamilの作用機序:180分の長期温阻血においてはVerapamilには肝保護作用はなく、本薬剤は阻血時間の長短によって肝への有効性が異なる可能性を示唆した。
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