研究分担者 |
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10130345)
中崎 晴弘 東邦大学, 医学部, 助手 (00207747)
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
吉雄 敏文 東邦大学, 医学部, 教授 (80057497)
木村 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (10009996)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
担癌患者末梢血を術前術後に採取し、IL-1,IL-6,INF-α,GM-CSF値を測定し、各サイトカインが高値であることを見出した。また、術後1日目は3時間毎に、その後2,3,5,7日目に、退院後は来院時に採血し、各サイトカインの変動を検討したところ、TNF-αは術前から高値を示し、術後15時間目と2日目にピークをもって産生され、IL-1αは術後18時間と3日目に、IL-1βは術後21時間目と5日目に、IL-6は術後24時間目と7日目にそれぞれ2相性にピークを示すことも見出した。また、再発がAFP,CEA等の腫瘍マーカーや画像診断で捕らえられる以前にTNF-αが上昇する傾向が見られ、TNF-αの腫瘍マーカーとしての有用性が示唆された。さらにこれらサイトカインの変動が手術侵襲によるものかまたは癌そのものによるかを検討するため、胆石症患者において同様の検討を行なったところ、各サイトカインのピークは担癌患者と同じ傾向が得られたが、産生量は低く、7日目にはほぼ正常値になった。一方手術時に得た癌組織において各サイトカインを抽出、測定を試みたところ、この上清中に多量のサイトカイン、特に癌部にはTNF-α,GM-CSFが、非癌部にはIL-2,IL-6が多く検出された。さらに手術時に肝癌組織を採取、これを培養し、cell line化も行なっている。この細胞株はすべて上清中にTNF-α,IL-6, GM-CSFがかなり高濃度で検出された。これらはその特異抗体により、細胞数、生存率共に抑制され、さらにこれらサイトカイン間での相互作用も観察された。また、レセプターの存在も確認出来、肝癌のオートクリン、パラクリン増殖にこれらサイトカインが関係することが推測された。次に、末梢血単核球の各サイトカイン反応性を検討した。その結果患者群は健常者群に対して各サイトカイン反応性が低下していること、健常者群に見られるようなサイトカインの濃度依な性の ^3H-TaR摂取率抑制が認められないことなどが判明した。
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