研究課題/領域番号 |
02454336
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有田 憲生 大阪大学, 医学部, 助手 (80159508)
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研究分担者 |
平賀 章寿 大阪大学, 医学部, 助手
大西 丘倫 大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
HIRAGA Syoju Osaka Univ., Dept. of Neurosurg
平賀 章壽 大阪大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | glioma / chemotherapy / brain tumor / carcinogenesis / p53 / extracellular matrix / tenascin / drug resistance / carcinogensis / invasion / oncogene / glioblastoma / tumor invasion / tumor suppressor gene |
研究概要 |
(1)悪性グリオーマ細胞に対するモルフォリノアンスラサイクリン系抗癌剤MX2の効果-ACNUおよびetoposideとの交叉耐性の有無に関する検討:ヒトグリオーマ細胞株T98G、U373MG、およびラットグリオーマ細胞株C_6を、約2週毎に漸増する濃度のACNU(2.5-100μg/ml)あるいはetoposide(1-80μg/ml)で反復処理することにより耐性細胞を作成した。親株のACNUに対するIC50値はT98G 14.2、U373MG 1.2および C6 1.4μg/mlで、得られた ACNU耐性細胞(ACNU/R)の親株に対するIC50値の比はそれぞれ4.7、16および14であった。また親株のetoposideに対するIC50値はT98G 33.5、U373MG 27.0およびC6 11.2μg/mlで、得られたetoposide耐性細胞(etoposide/R)の親株に対するIC50値の比はそれぞれ6.7、11および8.5であった。MX2に対するIC50値は、親株T98G 15.0、U373MG 7.9およびC6 11.4μg/ml、ACNU/RではT98G 19.6、U373MG 12.5およびC6 12.0μg/ml、またetoposide/RではT98G 17.4、U373MG 8.6およびC6 11.5μg/mlで、親株とACNU/Rおよびetoposide/RのMX2に対するIC50値は統計学的に有意差がない、すなわちMX2とACNUおよびetoposideの間には交叉耐性が認められないことが判明した。 (2)培養ラット胎児astroglia細胞のENU発癌:ラット胎児astrogliaをENU処理後継代培養すると、培養40日以後に変異細胞が出現した。これらの細胞より樹立した変異細胞株は、ヌードマウスでtumorigenicityを示し、免疫染色では変異型p53陽性、またNorthern blottingではp53 mRNAの過剰発現を認めた。以上のことよりラット胎児astrogliaの腫瘍化にはp53変異が関与していることが示された。 (3)グリオーマ組織におけるtenascinの発現:ヒトグリオーマ臨床標本でtenascin発現を免疫組織学的に検討した。その結果、腫瘍原発部では一部の腫瘍血管のみ陽性であったが、髄腔内播種部では腫瘍血管の大多数がtenascin陽性であった。in situ hybridizationでは血管周辺の腫瘍細胞がtenascin mRNA陽性であった(未発表)。以上のことからtenascin陽性部の腫瘍細胞が、グリオーマの髄腔内播種に関与していることが示唆された。
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