研究課題/領域番号 |
02454346
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
玉置 哲也 和歌山県立医科大学, 整形外科, 教授 (30009592)
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研究分担者 |
星野 潤 和歌山県立医科大学, 整形外科, 助手
江川 弘光 和歌山県立医科大学, 整形外科, 助手 (80223634)
寺尾 賢秀 和歌山県立医科大学, 整形外科, 助手 (80163898)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 脊髄モニタリング / MEP(motor evoked potential) / 脊髄誘発電位 / パルス磁場刺激 / 脳表面血流 / 高次脳機能 / 磁気パルス刺激 / 高位中枢刺激 / 大脳電気刺激 / 大脳磁気刺激 |
研究概要 |
脊髄モニタリングの指標として大脳運動領野刺激により脊髄を下降する電位(MEP)が用いられる。本研究ではその有用性と大脳刺激の安全性について研究を行った。まずネコを用いた実験的研究により、脊髄圧迫、牽引、虚血に対してはMEPは従来行われていた脊髄刺激による脊髄誘発電位(SCEP)とほぼ同じ感受性を示すことが確認された。次いで神経症状を術前に有した症例においてMEPが運動機能と、SCEPが知覚障害とどのように関連するかを検討した。脊髄障害部より末梢の筋力を0ー5の6段階で評価を行い、経頭蓋刺激によるMEPの波形との関連を検討したところ、筋力2以下の症例ではMEPが記録し難いことが判明した。すなわち、MEPは脊髄の運動機能をよく反映していた。他方SCEPは知覚障害が高度にもかかわらず運動機能がよく保たれていた症例からも記録が可能であった。すなわち脊髄の全般的な機能を反映するものと考えられた。MEPの記録には高位中枢の電気刺激あるいはパルス磁場刺激が行われるが、これらの方法の安全性を探る実験を行った。まずネコ脳表面血流に及ぼす影響を観察すると、頻回の電気刺激では明らかな血流の増加が観察された。しかしパルス磁場刺激では血流変化は認められなかった。さらに、パルス磁場刺激法の霊長類の高次脳機能に対する安全性をサルの高次脳機能であるオペラント学習を対象として検討した。すなわち、3匹のニホンザルに短期間の場所の記憶の課題である遅延反応を学習させ、磁気刺激が学習成績(正答、誤答、誤動作)にどのような影響を及ぼすかを観察した。連日30日間、1日100回の刺激を加えたが高次脳機能には何等の影響も及ばなかった。またラットの迷路学習に及ぼす影響も観察したが学習の形成課程ならびに学習記憶の保持には変化は認められなかった。現在用いられているパルス磁場刺激法は中枢神経に障害を発生せしめるものではないと結論した。
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