研究課題/領域番号 |
02454355
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
前川 剛志 山口大学, 医学部附属病院, 教授 (60034972)
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研究分担者 |
副島 由行 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (20206676)
定光 大海 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (10187164)
立石 彰男 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (00155102)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 心肺蘇生患者 / 脳障害 / 脳循環 / 血糖値 / 脳脊髄液 / 神経伝達物質 / アミノ酸 / 心肺蘇生 |
研究概要 |
心肺蘇生患者における中枢神経障害の病態を解明するために脳循環、脳代謝、経頭蓋超音波ドプラ-法による中大脳動脈血流速度、脳波、聴性脳幹反応、頭部Computed Tomography(CT)および脳脊髄液中の興奮性と抑制性アミノ酸を測定した。 KetyーSchmidt法による脳血流量は心肺蘇生後8時間までは有意に減少し、8〜48時間では対照値と有意差はなかった。しかし、中大脳動脈での平均血流速度は脳波の比較的良い群では高く、脳波の悪い群では低かった。また、Pulsatility Indexは逆の相関を示した。 脳波は回復例では早期より速波がみられたが、高度意識障害例ほど徐波化し、多くの症例で平坦化した。聴性脳幹反応は回復例では全経過を通して正常であったが、高度意識障害例では異常波形を示し、各波の潜時延長がみられた。 心肺蘇生後の頭部CT所見は大脳基底核、大脳皮質などで低吸収域や高吸収域がみられ、後者は心肺蘇生後12日〜14日ではじめて認められた。これはiopamidolで強調されたので、血液・脳関門の障害が疑われた。他の所見として、灰白質ー白質境界の不鮮明化、大脳溝や脳槽の狭小化と消失などがみられた。 心肺蘇生後、CSF中の神経伝達物質であるアミノ酸では、興奮性のアスパラギン酸とグルタミン酸が有意に増加し、抑制性のタウリンとアラニンも有意に増加した。心肺蘇生患者を高血糖群と血糖調節群に分けた結果、高血糖群のグルタミン酸と両群のタウリンで有意差はなくなったが、基本的には血糖値による群分け以前と同じ変化であった。痙攣を認めた一症例では興奮性アミノ酸のアスパラギン酸とグルタミン酸が著明に増加した。 今後は心肺蘇生患者の中枢神経障害の病態を解明するため、今回測定した項目を経時的に検討することと、脳蘇生のための各種治療による脳脊髄液中のアミノ酸濃度の正常化などを詳しく調べる必要がある。
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