研究分担者 |
中井川 泰 自治医科大学, 医学部, 助手 (40245056)
石井 良介 自治医科大学, 医学部, 助手 (50222956)
赤澤 訓 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10184079)
吉沢 由利子 自治医科大学, 医学部
粕田 晴之 自治医科大学, 医学部, 講師 (20090590)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
研究概要 |
【目的】本研究はアデノシンおよび硫酸マグネシウム(MgSO_4)の心機能,冠循環,心筋代謝および心臓刺激伝導系に及ぼす効果を検討し、これらの薬物の人為低血圧法への応用および虚血心に対する治療的応用のための基礎データを得るために行われた。 【方法】麻酔下開胸犬を用いて、血圧はカテーテル先端型のトランスデューサーにより、心拍出量および冠動脈血流量は電磁血流計により、冠静脈洞血流量は熱希釈法により測定した。心筋代謝に関する指標は動脈血および冠静脈洞血の酸素含量および乳酸含量から算出した。刺激伝導系の機能はヒス束心電図を分析することにより得られた。 【結果】アデノシンは、0.1,0.3,0.5および1.0mg・kg^<-1>・min^<-1>の投与速度で動脈血圧を用量依存性に低下させた。しかし、心筋酸素消費量の減少にもかかわらず、冠血流量を増加させた(luxury perfusion)。MgSO_4は1.5,2.5,4.1,7.8mg・dl^<-1>の血中濃度で、luxury perfusionを示すことなく、動脈圧,心拍数,左室収縮・拡張機能を用量依存性に低下させた。 アデノシンは洞調律および右房ペーシング下で、P-A時間およびH-V時間を変動させることなくA-H時間およびS-H時間を延長させた。MgSO_4は洞調律および右房ペーシング下で、A-H時間,S-H時間およびH-V時間を用量依存性に延長させた。両薬物とも不整脈の誘発作用は示さなかった。 MgSO_4は後負荷を軽減することにより、左室のポンプ機能をよく保つ効果を示した。心筋酸素需要の減少とほぼ平行して冠血流量の減少がみられた。また、心筋梗塞を悪化させることはなかった。 【結語】アデノシンおよびMgSO_4は人為低血圧法に臨床応用のできることおよびMgSO_4は虚血心に対して、心臓のポンプ機能をほとんど抑制することなく、保護的に作用することが判明した。
|