研究課題/領域番号 |
02454364
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
美馬 正彦 関西医科大学, 医学部・麻酔科, 助教授 (10077662)
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研究分担者 |
田口 仁士 関西医科大学, 医学部・麻酔科, 講師 (70098135)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 硬膜外 / オピオイド / モルヒネ / 家兎 / 呼吸抑制 / 二酸化炭素応答曲線 / P_<0.1> / 癌性疼痛 / 硬膜外投与 / 硬膜外カテーテル / 呼吸検査 / Po.1 / 硬膜外注入 / 硬膜外カテ-テル / CO_2負荷テスト / 硬膜外オピオイド / 気道抵抗 |
研究概要 |
オピオイドの硬膜外投与による癌性疼痛治療は、少量で長時間の著明な鎮痛効果が得られるが、副作用として呼吸抑制が生じる。この研究は代表的オピオイドのモルヒネについて、呼吸に及ぼす影響を、主に二酸化炭素応答による呼吸機能の測定により検討した。 1]動物モデルの作成 家兎を使用して慢性硬膜外カテーテル留置、および慢性気管切開のモデルを作成した。家兎固定台や硬膜外穿刺法を考案し、経皮的手技により腰部、胸部、仙骨部の硬膜外腔へのカテーテル留置を行った。研究初期のトラブルの例を除き、留置後10日間以上の観察期間中、再現性のある神経遮断効果が得られ、神経障害や体重減少などの異常はみられなかった。腰部硬膜外カテーテルから1%リドカイン0.5mlを注入した場合、約1分後に後肢の麻痺が発現し、約20分間持続した。気管切開口を開放した家兎は、2日以内に死亡した。気管切開口を皮膚のみで閉鎖することにより、全身状態に異常なく10日以上の生存が可能であった。 2]家兎における呼吸測定法の検討 まず家兎の呼吸測定用固定台を考案し、次に小型ニューモタコグラフ、気道内圧計、回路閉鎖電磁弁、呼吸バッグなどを組み込んだ小動物用の呼吸回路を作成した。内径3mmのシリコン製カニューレを気管切開口より挿管し、呼吸回路と接続した。換気量と気道内圧はミナト医科学社製レスピロモニター(RM300)にて、またETCO_2はネルコア社製ガスモニター(N-1000)にて測定した。 3]呼吸機能の測定 家兎6羽を用いて、2%リドカイン1.5-2ml/hの持続腰部硬膜外注入による下半身の不動化に加え、ジアパム3mg/kgの筋注により鎮静させ、コントロール(C)群として呼吸の測定を行った。C群ではジアゼパム投与1-6時間後、わずかに呼吸抑制がみられたものの、分時換気量(V_E)、ETCO_2共に安定していた。モルヒネは2mgを用い、静注(iv)、筋注(im)、硬膜外投与(Epi)の各群について検討した。ETCO_<>=60mmHgのCO_2負荷時のV_Eは、Epi群が軽度だが長時間の低下を示したのに比較し、iv群とim群は短時間だが著明な低下を示した。ETCO_2=60mmHgでのP0.1は3群とも有意に減少したが、Epi群ではモルヒネ投与30-45分後に減少し、C群との比較では4時間後まで低い傾向を示した。im群も類似の変化であったが、Epi群より低下度が大きい傾向を示した。ΔVE/ΔCO_2やΔP0.1/ΔCO_2は、直線性に乏しく評価できなかった。 優れた鎮痛効果を持つ硬膜外モルヒネについて、動物実験による呼吸抑制の検討を行ったが、さらに十分な呼吸作用の解明と安全な使用法の検討が必要と思われる。
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