研究課題/領域番号 |
02454371
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
和田 文雄 香川医科大学, 医学部, 教授 (20028385)
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研究分担者 |
大矢 治世 香川医科大学, 医学部, 助手 (80223973)
西 望 香川医科大学, 医学部, 助手 (10145047)
奥谷 卓也 香川医科大学, 医学部, 助手 (80204121)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 前立腺 / 上皮ー間質間相互作用 / 増殖因子 / 初代培養 / 細胞外基質 / 男性ホルモン / 上皮一間質間相互作用 |
研究概要 |
1.ラット前立腺に存在する成長因子を分析し、その主要成分を精製した。成熟ラット背側部前立腺にはヘパリン結合性成長因子、高分子量EGF(HMWーEGF)および2種類の低分子量EGF(LMWーEGF)が存在していた。このうち3種類のEGFを精製した。HMWーEGF標品はNー末端構造の異なる少なくとも数種類の成分を含んでいた(平均分子量3.5万)。前立腺におけるHMWーEGF/LMWーEGFの比率は、他の組織や体液よりはるかに高い値を示した。LMWーEGFの1つはラット顎下腺EGFと類似していたが、Nー末端がAsnからAspに変化し、Cー末端のArgが欠落していた。3種類のEGFはすべて初代培養前立腺上皮細胞の増殖を促進した。これらの結果は、前立腺において産生されるEGFが前立腺細胞自身の増殖に関与する可能性を示唆している。 2.初代培養前立腺細胞が産生する因子を同定、精製するためには、基本培地に血清などの不確定成分が含まれていないことが望ましい。これまで用いてきた無血清初代培養法では、培地添加物中に唯一の不確定成分である牛脳下垂体抽出物(BPE)が含まれている。BPEを置換え得る物質を検索した結果、ダイズトリプシンインヒビタ-(STI)やアンチパインなどのプロテア-ゼ阻害剤がBPEと同等の効果を示すことが分った。STIの場合、約300ng/mlで最大の効果を示した。今後の培養においてBPEの代りにSTIを用いることにより、完全に組成の明らかな培地を用いることが可能となった。 3.培養系における前立腺細胞の増殖、生存に対する細胞外基質の効果を検討した。調べた成分のうち、ラミニンとMatrigel(基底膜可溶化物)が上皮細胞の増殖を促進し、特にMatrigelの効果が著しかった。この効果は、培養皿への細胞の接着促進とより直接的な増殖促進作用によると考えられる。
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