研究課題/領域番号 |
02454386
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
仲野 良介 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50030854)
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研究分担者 |
西森 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40237748)
小林 三津子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70195816)
矢本 希夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80106541)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 卵巣腫瘍 / FSH / LH / 受容体 / ゴナドトロピン |
研究概要 |
莢膜細胞腫、顆粒膜細胞腫およびいくつかの良性上皮性卵巣腫瘍(漿液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫)にゴナドトロピン(Gn)の特異的結合が認められた。悪性腫瘍を含め、その他の卵巣腫瘍においてはGn受容体は認めえなかった。これらのGnの特異的結合をScatchard分析にて検討したところ、FSH受容体およびLH受容体ともに高親和性、低容量であり、それらの値は正常卵巣とほぼ類似したものであった。Surface binding autoradiographyと酵素拡体法にてGn受容体の局在を形態学的に検討したところ、莢膜細胞腫においては莢膜細胞類似の腫瘍細胞にLHの結合部位が存在し、また漿液性嚢胞腺腫のFSH受容体の局在および粘液性嚢胞腺腫のLH受容体はいずれも腫瘍間質部に局在を認めた。Gn受容体陽性の卵巣腫瘍は、末梢静脈血と腫瘍静脈血に2〜3倍の性ステロイドの濃度勾配を認めたことより、ステロイド産生能を有する卵巣腫瘍と考えられた。一方、上皮性卵巣腫瘍合併、閉経後婦人患者の末梢血中エトラジオール(E_2)、プロゲステロン(P_4)濃度は、卵巣腫瘍を合併しない閉経後婦人に比べ、高値を示す例が半数以上にみられ、卵巣腫瘍静脈血中E_2、P_4濃度の測定結果より、E_2、P_4の分泌源は卵巣腫瘍であると考えられた。免疫組織学的に手技にて、E_2の局在を検索したところ、腫瘍組織の間質に証明したが、ステロイドを産生していると考えられた悪性上皮性卵巣腫瘍の中には、悪性上皮細胞にもE_2の局在が認めらるものも存在した。上皮性卵巣腫瘍を合併している閉経後5年以上経過している閉経後婦人にGn負荷試験を実施したところ、これに反応した症例が存在した。卵巣腫瘍の中には、Gn受容体陽性のものが存在し、Gnのなんらかの調節を受けていると考えられた。さらに、これらの卵巣腫瘍は、ステロイド産生能を有すると考えられ、これら腫瘍のステロイド産生およびtumorigensisはGnの調節を受けている。可能性が示唆された。
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