研究課題/領域番号 |
02454389
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
野澤 志郎 (野澤 志朗) 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
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研究分担者 |
進 伸幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90206459)
高松 潔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30206875)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1991年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1990年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 複合糖質 / 女性性器 / 糖脂質 / スルファチド / セラミド / モノクロ-ナル抗体MSNー1 / CA54 / 61 / 胎盤 / 子宮体内膜 / ハイドロキシ脂脂酸 / シアリルパラグロボシド |
研究概要 |
複合糖質の多くは細胞相互の認識機能やレセプタ-としての機能を有し、癌化に伴いその糖鎖構造が変化することが知られている。本研究では女性性器を対象に、内分泌環境並びに癌化に伴う複合糖質の変化を解明する事を目的とし以下に示すような知見を得た。1.胎盤絨毛の妊娠に伴う糖脂質の変化は、酸性糖脂質においてシアリルパラグロボシドが妊娠週数の経過とともに減少する傾向が認められた。2.正常子宮体内膜並びに子宮体癌の糖脂質を解析した。その結果、正常体内膜では増殖期で硫酸化糖脂質であるスルファチドの含量は少なく、中性糖脂質のセラミドの水酸化は認められなかったのに対し、分泌期ではスルファチドの含量が著明に増加し、セラミドの水酸化が認められた。一方体癌では、スルファチドの増加が認められ、高分化型体癌で中性糖脂質の糖鎖が長く、セラミドは水酸化されていた。また低分化型体癌では中性糖脂質の糖鎖は比較的短く、セラミドの水酸化は認められなかった。3.頚管・卵管の糖脂質を分析したところ、頚管の分泌期に特微的に硫酸化糖脂質が増加した。卵管では硫酸化糖脂質が全性周期を通じて存在し、更に酸素添加を受けたセラミドを持つ中性糖脂質が存在した。4.我々が作製した抗子宮体癌モノクロ-ナル抗体MSNー1(主としてルイスb糖鎖を認識)を用いた新たな子宮体癌の補助診断法の確立を試みた。フロ-サイトメトリ-、EGLA法(Endometrial Glycolipid Assay法)により正常体内膜細胞と体癌細胞を鑑別出来ることを見いだし、さらに実際の臨床応用を志向したEmCーEIA法(Endometrial Cell EIA法)を確立し、その有用性を示した。5.最近我々が開発した卵巣癌の腫瘍マ-カ-であるムチン型糖鎖関連抗原CA54/61の局在を、免疫組織化学的染色性から血清測定値が類似するCA72ー4及びSTN(sialyl Tn)と比較した結果、3者は必ずしも同一ではないものの概ね類似した抗原であることが示唆された。
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