研究課題/領域番号 |
02454391
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐藤 和雄 日本大学, 医学部, 教授 (80010180)
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研究分担者 |
高木 健次郎 日本大学, 医学部, 助手 (00216623)
松浦 真彦 (松浦 眞彦) 日本大学, 医学部, 助手 (10175599)
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 講師 (50199668)
三宅 良明 日本大学, 医学部, 講師 (20183634)
坂田 寿衛 日本大学, 医学部, 講師 (00059817)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 慢性羊実験モデル / 長期低酸素負荷実験 / 胎児(仔)行動様式 / プロスタグラレジン / AVP(アージニンバソシグレシン) / 呼吸様運動 / 解離現象(Dissociation) / 子宮内胎児発育遅延 / 胎児行動様式同起率 / AVP(ア-ジニンバゾプレッシン) / 解離現象(dissociation) / IUGR / 胎児行動様式 / 超音波断層装置 / 脳波(LV、HV) / 脳内生理活性物質 / 胎児(仔)呼吸様運動 / 胎児(仔)胎動 / 胎児(仔)眼球運動 |
研究概要 |
慢性羊実験モデルを利用し、生理学的、生化学的な面より胎児中枢神経統御機構と胎児行動(胎児心拍、眼球運動、呼吸様運動、胎動)について妊娠経過との関連性を検討した。まず羊慢性実験モデルを利用し長期低酸素負荷実験時の各行動様式をみると、基準心拍は低酸素負荷直後より低下し、15分後より元に戻りはじめ、約30分で投与前に復した。呼吸様運動は1時間で減少、5-6時間でコントロール値に戻った。一方、羊胎仔に低酸素状態で増加するNorepinephrine(NE)を持続注入すると直後より心拍数は低下し、10分後には元に戻り、Arginine Vasopressin(AVP)を持続注入すると呼吸様運動は抑制され、長期低酸素負荷時の胎仔行動様式と類似した。そこで中枢神経系に関与すると考えられる生理活性物質(NE,AVP,5-HTP,PGD2)の中枢(EEG)および胎仔行動との関連性について検討したところ、NEはEEG、呼吸様運動には影響を与えず、AVPはEEGには影響しないが呼吸様運動を著明に抑制した。また睡眠に関係するserotonin(5-HTP)とPGD2はともに脳波をHigh voltageに変化させるが、呼吸様運動は前者で促進、後者で抑制を示した。また羊胎仔脳内のreceptorの局在について検討したところ、AVPは視床上核、脳幹質房核、serotoninは大脳皮質、PGD2は前部視床下部、臭球にPGE2は海馬で多く認められた。 ヒト胎児でも中枢神経系を反映する胎児心拍(活動期)と胎動、眼球運動が同時に出現する場合をA3,さらにこれに呼吸様運動が10%以上同時に出現する場合をA4とすると正常胎児ではA3,A4%妊娠週数との関係はそれぞれA3=3.14×週数-37.6、A4=3.35×週数-55.2と妊娠週数とともにその一致率が増加した。一方、子宮内胎児発育遅延や胎児低酸素血症をみるものではA4%の低下がみられ、呼吸様運動の抑制が特徴的となった。以上のことから胎児低酸素状態における胎児行動の解離現象の発現に生理活性物質(特にAVPによる呼吸抑制)の関与が示唆された。
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