研究課題/領域番号 |
02454420
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
柳澤 孝彰 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10096513)
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研究分担者 |
見明 康雄 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00157421)
澤田 隆 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (60125010)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | アメロジェニン / エナメリン / 形成障害歯 / 琺瑯芽細胞 / 琺瑯質 / 免疫電子顕微鏡 / 高分解能電子顕微鏡 / ビンブラスチン / フッ素 / 電子顕微鏡 / 基質形成期琺瑯芽細胞 / 分化期琺瑯芽細胞 / 免疫電顕 / protein Aーgold間接法 |
研究概要 |
これまでに、フッ素投与による形成障害歯(急性中毒・平成2年度)およびビンブラスチン投与による形成障害歯(平成3年度)における琺瑯芽細胞と琺瑯質の変化、ならびにそれらにおけるアメロジェニンとエナメリンの分布状態を電子顕微鏡的に検索してきた。平成4年度は本研究課題に対する研究費補助の最終年度であるため、これまでの研究のまとめに力を注ぐ一方で、慢性フッ素中毒による形成障害歯に興味をひかれ、その検索にも力を注いだ。 本年度の実験結果を以下に記す。慢性フッ素中毒歯の琺瑯芽細胞には急性中毒歯におけるほどの変化はないものの、R型細胞遠心の微絨毛様構造の短縮傾向と近心部の空胞の出現に注意された。短縮した遠心微絨毛領域には、アメロジェニンやエナメリンと反応した金粒子が観察され、細胞本来の機能が影響を受けているものの、依然としてそれが残存していることを物語っていた。一方琺瑯質には、高度に石灰化した琺瑯質直下に広範囲に及ぶ低石灰化領域の出現が観察された。超微構造的には、表層の琺瑯質結晶は比較的早期に成熟したためか、対照より大きなものが密に分布配列していた。これに対し低石灰化領域では、表層とは逆に対照よりも小さな結晶が比較的疎に分布配列していた。これらに対するアメロジェニンとエナメリンの分布は、結晶の分布とほぼ一致していた。 これまでのデータに以上のことを加えまとめてみると、薬物投与により琺瑯芽細胞にアメロジェニンとエナメリンの合成や分泌に異常を来たし、それが琺瑯質に反映されることが明らかとなった。ことにアメロジェニンやエナメリンと反応した粒子が全く認められないか、それが認められるとしても極めて少ない部分では、結晶も全く認められないか、あったとしても少なく、両タンパク質群が琺瑯質の石灰化と密接に関与していることが、超微形態的に判明した。
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