研究課題/領域番号 |
02454440
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
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研究分担者 |
市丸 英二 長崎大学, 歯学部, 助手 (60223111)
原 宜興 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60159100)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 内毒素 / 病理組織学的研究 / ヌ-ドマウス / 骨吸収 / 破骨細胞 / ELISA法 / EIA法 / 血清抗体 |
研究概要 |
歯周疾患の原因の1つとして、プラ-ク中の細菌が重要である事を示す報告が数多く出されている。その中でもグラム陰性細菌の外膜に存在する内毒素は、多彩な生物学的作用を有するとともに、リンパ球やマクロファ-ジや線維芽細胞などに作用して、いろいろなサイトカインを産生させる。このような免疫学的活性あるいは免疫系の細胞およびサイトカインなどは、歯周疾患の発症や進行に重要な役割を演じていると考えられるが、詳細については十分に解明されていない。そこで本実験では、まず抗内毒素血清抗体価を指標として、E.coli内毒素に対する免疫反応をみるためのELISA法を確立した。次に、あらかじめ正常マウスに内毒素を腹腔投与し体液性免疫を亢進させた免疫群(I群)、および非免疫群(N群)、さらに免疫系の細胞の中でもT細胞が先天的に欠損しているヌ-ドマウス群(Congenitally Athymic mouse、CA群)の3群に対し、それらの歯肉に内毒素の頻回投与を行った場合に起こる歯周組織の炎症や破壊のメカニズムを病理組織学的に検討した。 その結果、N群において歯肉投与回数が少なく血清抗体価が低い時は歯周組織の炎症や破壊の程度はI群よりも弱かったが、投与回数が増加し血清抗体価が上昇するにつれてI群と類似した炎症像を示しており、両群ともに破骨細胞の形成をともなう歯槽骨吸収が確認された。一方それとは対照的に、CA群は投与回数が増加し血清抗体価が上昇しても、I群やN群よりも炎症性細胞の浸潤範囲は極端に狭く、浸潤細胞の密度も著しく弱かった。さらに破骨細胞の形成や歯槽骨の吸収もなったく認められなかった。 以上の結果から、Tリンパ球の存在が破骨細胞性の骨吸収へ大きな関連を有することが明らかとなったので、以後はTリンパ球と骨吸収との関連をより詳細に検討したいと考えている。
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