研究課題/領域番号 |
02454453
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
鈴木 貢 弘前大学, 医学部, 教授 (90003368)
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研究分担者 |
小林 恒 弘前大学, 医学部, 助手 (50234860)
白戸 真実 弘前大学, 医学部, 助手 (50206306)
小松 賢一 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (30162043)
田中 純一 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90197434)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 顎嚢胞 / 増大機序 / 抑制機序 / 過酸化脂質 / 嚢胞腔洗浄法 / フリ-ラジカル / 嚢胞壁微小循環 / 骨再生 / 増大抑制機序 / Free Radical / 嚢胞壁生成PG / 骨吸収 |
研究概要 |
顎嚢胞は、嚢胞腔の内圧亢進による骨吸収、或いは嚢胞壁組織のPGE_2による骨吸収で増大するとされていたが、その機序は明確でなかった。そこで本研究では、顎嚢胞症例63例を選び、嚢胞腔の感染の有無は内容液の細菌学的検査、血球成分、ガス分圧値の検査から決定し、嚢胞壁の微小循環血流量は嚢胞部位と反対側同部位での歯槽粘膜の血流量(平成3年度本研究経費で購入)比で推定した。感染の消去は、菌の感受性試験により3+を示す抗生物質を含有したSolcosery1^<【○!R】>或いは20%glucose溶液による嚢胞腔の洗浄を週1回の割合で行い、内容液の示す上述諸検査値から感染の推移を判定した。内容液と嚢胞壁に生成する過酸化脂質(LPO)の指標としてPCー00H値はCLーHPLC(平成2年度本研究経費で購入)で測定し、L100′強度は講座既設のESRによる固体法により測定した。嚢胞壁のアラキドン酸代謝産生物はPGーHPLC測定システムで測定した。骨の組成はFT/IRで測定した。その結果、顎嚢胞の内容液は常にFe^<2+>値が高く、感染すると好中球の走化が亢進し、pO_2値は低下し、PCー00H値及びL00′強度は高値を示すが、嚢胞腔の洗浄によりpO_2値は高値となり、PCー00H値及びL00′強度は低下し、歯槽粘膜の血流量は改善して嚢胞が縮小してきた。嚢胞壁はPCー00H値、L00′強度が未洗浄症例に比ベて洗浄後症例に低値を示し、TXB_4/6ーketoーPGF_<1α>値が上昇し、PGE_2/PGF_<2α>値が低下し、骨はPO_4^<3->の吸収が強くなり、骨の再生を示した。従って、嚢胞の増大は嚢胞腔に走化した好中球の生成したFree Radicalが内容液の脂質を過酸化してLPOを生成して嚢胞壁が損傷を受け、結合組織中の血管内皮細胞の機能障害に伴い、骨吸収刺激因子を放出して骨の破骨細胞を活性化する機序の関与が推定されたが、増大の抑制には嚢胞腔の洗浄が感染を消去し、Solcosery1【○!R】がO^ー_2を消去し、20%glucoseが・OHを消去して過剰に生成したO^ー_2、・OHを制御することにより、骨吸収刺激因子の生成阻止による機序が示唆された。
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