| 研究分担者 |
太田 光雄 近畿大学, 工学部, 教授 (90020164)
生田 顕 広島大学, 工学部, 助手 (30145164)
伊藤 勝陽 広島大学, 医学部, 教授 (20034035)
藤田 實 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (90116658)
和田 卓郎 広島大学, 歯学部, 教授 (10028756)
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| 研究概要 |
がん病変等の検出を目的としたX線写真による診断は,より小さな,よりコントラストの低い病変の検出を目指している。本研究で開発した画像復元方法は,従来からの単純な画像強調ではなく,X線画像の生成過程に基づいてボケと雑音を解析し,まず,決定論的手法でボケ像を改善した後,雑音に埋もれた信号成分を確率的信号処理により予測して真の像を求めるものである。当初計画した雑音に対する画像復元フィルタについては,2種類のベイズフィルタを開発した。一つは画像を走査しながら逐次処理を行うものであり,もう一つは画像の全デ-タを利用した回帰曲線を求めて処理を行うものである。シミュレ-ションと標準ファントムによる医用X線画像に適用した実験で有効に働くことを確認した。その結果は,“A new restoration method for medical xーray images with optical blurs and quantum mottles"Trans.of IEICE,Vol.E73,NO.5,pp.670ー678(平成2年5月),および“拡張した回帰分析法による医用X線画像の一復元"電子情報通信学会論文誌DーII,Vol.J74ーDーII,No.3,pp.442ー452(平成3年3月)に発表した。また,本フィルタの原理とその基本的な概念については「基礎情報音響工学」(朝倉書店,平成4年2月)第4章画像情報処理にその一部を解説した。さらに,画像が二次元平面に分布する信号形態であることを積極的に利用して平滑推定を行う拡張型固定ラグ・スム-ザ併用のディジタル・フィルタを開発した。その成果は,平成3年10月京都で行われた国際会議The International Conference on Noise in Physical Systems and1/f Fluctuationsに,“A dynamical method of adaptive restoration for the medical xーray images with optical blurs and quantum mottles by use of wide sense digital filter"として発表した。現在,本研究で開発した画像復元フィルタの有効性を検討するための基礎的に画像評価と臨床への応用を行っている。
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