研究課題/領域番号 |
02454527
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
植木 龍夫 理化学研究所, 生物物理, 主任研究員 (30029954)
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研究分担者 |
藤澤 哲郎 理化学研究所, 生物物理, 研究員 (10231565)
猪子 洋二 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00160010)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | X線溶液散乱 / 生体高分子 / 酵素 / 構造解析 |
研究概要 |
タンパク分子の水溶液中での構造研究は、従来、小角散乱法をつかった分子や粒子のおおよその形態の決定といったものである。ドメイン構造を持つタンパク分子の場合、より詳細な構造ーたとえば分子内のドメインやサブユニットの空間的な配置などーに関する情報が得られるようになってきた。この方向は、分子中のドメインもしくはサブユニットが基質やイオンなどの結合によってその空間的な配置をどのように変えるか、といったような分子の構造と機能との関わり合いを理解する上で十分有用でかつ重要であると考えられる。本研究では、小角散乱領域に加えて、より広角領域のX線散乱強度を精度良くかつ高効率で記録する実験法を確立した。また、溶液散乱プロファイルを結晶構造からの分子構造情報をもちいて評価する解析法の開発を目標として、ドメイン構造と散乱プロファイルとの対応を調べた。さらに、酵素分子への基質分子の結合にともなって分子がどのように応答するか、分子の機能と関連した研究を行った。 ラットの胸線から分離したヌクレオゾーム・コア粒子中でのDNA分子の構造がシンクロトロン放射光を光源としたコントラスト変化-小角散乱実験で研究された。粒子全体およびタンパク(ヒストン8量体)の電子密度に溶液の電子密度をマッチ刺せた実験から、DNA分子のみからの散乱強度分布を求めた。解析の結果、DNA分子の構造は、半径42A、ピッチ28Aの螺旋構造を取っていることが明らかになり、DNA分子はヒストン分子の周りに1.8周巻き付いていることもわかった。このパラメーターは、初期の結晶構造解析の結果とよく一致している。 人間の癌細胞や癌に転化した細胞にはras遺伝子が存在する。この遺伝子の産物としてp21と呼ばれる分子量21.000ダルトンのタンパクが分離されている。このタンパクはGTP結合タンパクで、細胞の増殖および分化の信号トランスジューサーとして機能していると考えられている。このタンパクは、結晶構造解析されまたNMR法でも溶液中での構造もわかっているが、溶液中でのGTP加水分解反応に伴う構造変化をX線溶液散乱法で調べた。X線溶液散乱強度はGTP分子の結合/非結合状態で異なり、分子の回転半径の差が観測された。酵素反応に伴う構造変化は、原子座標の検討、分子動力学的計算とX線昇格散乱を組み合わせて解析した結果、水和水部分の構造変化であることが明らかになった。タンパク分子の表面の性質の変化が、細胞増殖のシグナルと関係している可能性がある。
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