研究課題/領域番号 |
02454535
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
室伏 擴 東京大学, 理学部, 助教授 (70101128)
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研究分担者 |
鈴木 紘一 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (80011948)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 微小管 / 微小管結合タンパク質 / MAP4 / タウ / NMR / プロテインキナーゼC / cdc2キナーゼ / DNAポリメラーゼα / サイクリンB / 中間径繊維 / ビメンチン / リン酸化 / プロテインキナ-ゼC / cdc2キナ-ゼ / チュ-ブリン / 核磁気共鳴 / DNAポリメラ-ゼα |
研究概要 |
微小管結合タンパク質(MAOs)は、チューブリンと共に微小管を形成するタンパク質の総称で、チューブリン重合を促進し微小管を安定化する作用を持つ。本研究では、生化学的、物理化学的、分子生物学的、細胞生物学的手法を用いてMAPsの構造と機能を調べ、以下の結果を得た。 1.MAP4、MAP2、tauに共通に存在するチューブリン結合配列(AP配列)から成る合成ペプチドとチューブリンとの相互作用を、NMRを用いて解析した。その結果、ペプチド中のLysとArg残基がチューブリンとの結合に関与し、さらに、ペプチド中のVal残基とチューブリン中のTyr残基が相互作用することが分かった。 2.cDNAクローニングにより、MAP4の全アミノ酸配列を決めた。MAP4は、酸性アミノ酸残基に富むN-端側領域と、塩基性アミノ酸残基に富むC-端側領域に分けられる。後者はProに富む部分と、AP配列の繰り返しを含む部分とから成る。MAP4、MAP2およびtauのC-端側領域の一次構造には高い類似性が存在したが、N-端側領域には類似性が認められなかった。 3.MAP4の発現断片の性質の調べた結果、AP配列を含む部分がチューブリンと特異的に結合し、Proに富む部分がこの結合を補強するという形で、MAP4の微小管結合領域が形成されていることが分かった。 4.プロテインキナーゼCおよびcdc2キナーゼにより、MAP4のProに富む部合の特定のアミノ酸残基がリン酸化され、MAP4のチューブリン重合促進活性が負に制御されることが分かった。 5.増殖能の高い細胞では、MAPsの一部がリン酸化された形で核内に移行することから、MAPsが核内で増殖に関連する何等かの機能を持つ可能性が示唆されてきた。本研究では、MAPsがDNAポリメラーゼα活性を促進することを見いだした。さらに、リン酸化MAPsは、脱リン酸化MAPsよりも高いポリメラーゼ活性促進化能を持つことが分かった。
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